ジェレミー・フリンポンは、攻守を駆け抜けるフルバックとして、その爆発的なスピードと俊敏なドリブルで攻撃的守備の両面において大きな存在感を示している選手です。
彼は前線への積極的なオーバーラップや大胆な突破で相手ディフェンスを翻弄する一方、迅速なポジショニングと強烈なプレスで自陣の守備ラインを確固たるものにしています。 その効率的なプレースタイルは、攻撃と守備の均衡を絶妙に保つだけでなく相手にとって予測困難な動きで常に圧力をかけ続ける点も見逃せません。
本記事では、フリンポンがどのようにして攻守一体のプレーを実現し、試合を支配するのかその攻撃的守備の真髄と魅力に迫ります。
プロフィール
- 国籍：オランダ、ガーナ
- 生年月日：2000年12月10日、24歳
- 出身地：オランダ、アムステルダム
- 身長：172cm
- 体重：67kg
- ポジション：右ミッドフィルダー(RM)、右サイドバック(RB)
- 利き足：右足
- 現所属チーム：リヴァプールFC
- 背番号：30
- 今シーズン試合出場数：48試合出場、5得点12アシスト(2025年6月3日現在)
- 市場価値：5000万€(2024年12月18日現在)
- 給料：週給6.5万£→年収337万£
- 契約満了日：2030年06月30日
- エピソード：7歳の時に家族と共にオランダからイギリスへ移住し、2010年にマンチェスター・シティの下部組織に入団した。
キャリア＆タイトル
経歴
- クラブ歴
- セルティックFC(2019～2021)：51試合出場、3得点8アシスト
- 2019年9月1日、4年契約で移籍。2019年10月19日、ロス・カウンティ戦でチームデビュー。移籍金380万€
- バイエル04レバークーゼン(2021～2025)：190試合出場、30得点44アシスト
- 2021年1月27日、4年半契約で移籍。2021年2月3日、RWエッセン戦でチームデビュー。移籍金1100万€
- リヴァプールFC(2025～現在)：
- 2025年5月30日、5年契約で移籍。移籍金3500万€
- 代表歴
- オランダU-19代表(2018)：3試合出場
- オランダU-20代表(2019)：2試合出場
- オランダU-21代表(2021～2022)：6試合出場
- オランダ代表(2022～現在)：12試合出場、1得点2アシスト
- EURO：2024出場
タイトル歴
- クラブ
- セルティックFC
- プレミアシップ：2019-20
- Betfred Cup：2019-2020
- SFAカップ：2019-2020
- バイエル04レバークーゼン
- ブンデスリーガ：2023-2024
- DFBポーカル：2023-2024
- ブンデススーパーカップ：2024-2025
- 代表
- なし
プレースタイル
2024-2025試合データ
右ミッドフィルダー(RM)など 44試合出場、5得点12アシスト
攻撃面では、ペナルティ以外のゴールが0.14（21％）、npxGが0.15（22％）、総ショットが1.36（10％）、ショットクリエイティングが2.67（12％）と直接得点への寄与は控えめです。代わりに、アシストは0.23（69％）、進行性パス受領が10.23（81％）、進行性キャリーが4.11（66％）と、チームメイトとの連携や試合の流れ作りで大きく貢献しています。テイクオン成功率は0.90（15％）と低く、個人の突破力に課題がある一方、守備ではタックルが1.13（37％）、インターセプションが0.38（38％）、ブロックが0.98（65％）、クリアランスが0.96（81％）で積極的な守備貢献が見受けられるのです。総じて、直接的な得点や1対1の突破には控えめですが、パッシングや守備面での連携・貢献が際立っており、チーム全体の戦術運営において重要な役割を果たしていると評価されるでしょう。
右サイドバック(RB) 4試合出場
非ペナルティゴール 0.14 (40%)、npxG 0.15 (45%)、ショット合計 1.36 (50%) から質の高い得点機会があるでしょう。アシスト 0.23 (45%)、xAG 0.19 (40%)、合算 npxG+xAG 0.35 により、連携面での貢献が評価されます。ショットを生み出すアクション 2.67 (55%)、プロゲッレスパス 2.00 (50%)、プロゲッレスカリー 4.11 (60%) で、攻撃の起点となる動きが強調です。パス試行 35.80 (35%) とパス完了率 76.1% (65%) から前線への正確なパス供給が確認されます。タックル 1.13 (65%)、インターセプト 0.38 (60%)、ブロック 0.98 (70%)、クリアランス 0.96 (60%)、エアリアル勝利 0.43 (55%) が守備での堅実な貢献をしているでしょう。総じて、攻撃と守備の両面でバランス良く貢献していることを示し、特に前線での積極的な動きと守備の安定感によりハイプレスやカウンター戦術に適合した多才なプレーヤーであることが分かるのです。
2024-2025シーズン：48試合出場、5得点12アシスト、3457分
引用：FBREF、Jeremie Frimpong (2025年6月3日現在)
プレースタイルの特徴
ジェレミー・フリンポンは、攻守を駆け抜けるモダンなフルバックとして現代サッカーにおける攻撃的守備の真髄を体現している選手です。抜群のスピードと正確なボールコントロールを武器に、前線への積極的なオーバーラップやドリブル突破で相手ディフェンスに圧力をかけるでしょう。彼のプレースタイルには、以下の特徴があります。
- 爆発的なスピードと持久力：サイドライン沿いを高速で横断することにより相手守備陣に瞬時の混乱を引き起こします。 その爆発的なスピードは、カウンター攻撃時に相手を置き去りにするだけでなくオーバーラップからのクロスなど決定的な攻撃の起点を作り出しているでしょう。 また、試合全体を通して高い持久力を発揮し、前半だけでなく後半においてもスピードが衰えず安定したパフォーマンスを提供します。 彼はスプリント後の早いリカバリーを可能にするため攻守の切り替えが非常に迅速であり、守備でも攻撃でも連携に貢献しているのです。 さらに、フリンポンの走りは、スペースの創出だけでなく相手選手の体力を消耗させる効果もあり、チーム全体の戦術に大きな影響を与えています。 こうしたスピードと持久力の融合が彼を現代サッカーにおける理想的なフルバックへと押し上げているのです。
- 積極的な攻撃参加とカウンターの起点：ボール奪取後にすぐ前線へ飛び出すことで、攻撃の起点を瞬時に作り出す役割を果たしています。 ドリブルで相手ディフェンスの隙を突き、スペースを切り裂いた突破は、カウンター時に相手を置き去りにする原動力となるでしょう。 シンプルながら決定力のあるパス供給によって攻撃の連携を一気に高め、味方に絶好の得点チャンスをもたらします。 彼の攻撃参加は、相手に守備のパターンを読まれにくくさせ、戦術の幅を広げる重要な要素となっているのです。 このように、フリンポンは守備から攻撃への橋渡し役として試合の流れを自陣側に引き込むカウンターの起点となっているでしょう。
- シンプルで効率的なボールコントロール：無駄なフェイントや複雑なトリックを排し、基礎に忠実なボールコントロールを一貫して追求しています。 プレッシャーのかかる状況下でも冷静さを失わず、余裕を持ってボールを保持する姿勢は、相手にスペースを与えない安定感の源となっているでしょう。 コンパクトなドリブルにより、狭いディフェンスの間を巧みに縫いながら次の攻撃に直結するパスや突破口を作り出す能力が際立っています。 このシンプルさは、攻守の切り替え時にも迅速な判断を促し、試合のテンポを崩さずに流れをコントロールする大きな武器となっているでしょう。 結果として、フリンポンの効率的なボールコントロールは、チーム全体の連携を高め、攻撃の起点としても堅実なプレーを実現する重要な要素となっているのです。
- 精密クロスで攻撃の起点：高速の状態でもボールをしっかり保持し、ドリブル中の安定したタッチを武器に最適なタイミングで正確なクロスを送ります。 ウイングからのクロスでは、相手ディフェンダーの隙を狙い、攻撃陣が受け取りやすい位置へとボールを正確に運ぶのです。 そのパスは、味方選手の走りやポジショニングを即座に読み、角度やスピードを巧みに調整することでより確実なアシスト機会を生み出します。 また、このクロスがもたらす一撃は、相手守備陣に瞬時のプレッシャーを与え守備ラインの崩壊を誘発する効果もあるでしょう。 試合の流れを変える攻撃の起点として、チーム全体の連携力と戦術的優位性を大幅に引き上げる重要な武器となっているのです。
弱点
- 守備でのポジショニングの乱れ：積極的な攻撃参加ゆえにオーバーラップやサイド突破後、バックラインへの速やかな復帰が求められる局面でタイミングが後手に回ることが多いです。 このため、相手がカウンター攻撃に出ると一瞬ながら自陣の守備ラインに隙が生まれる傾向があり、速い攻撃移行を狙われるリスクが高まります。 攻撃参加に没頭するあまり、守備陣との連携が一時的に切れ、中央や裏のスペースが十分にカバーされない状況が発生することがあるのです。 こうしたポジショニングの乱れは、特に相手ディフェンスの守備ラインが崩れた際に、突破口として利用されやすくチーム全体のバランスを乱す一因となっています。 今後は、攻撃の威力を維持しつつも守備に復帰する際の瞬発性と連携をより迅速に行うことが課題克服の鍵となるでしょう。
- 判断力の未熟さ：高速な攻守の切り替えが求められる局面で瞬時の状況判断が必要とされるため、若さゆえの経験不足が一瞬の迷いを生む傾向があります。 その結果、攻撃への移行時にリスクの高い局面で不意に判断ミスが発生し、相手にチャンスを与えてしまうケースが散見されるでしょう。 例えば、ボール奪取後に攻撃に転じる際、適切なパスコースや突破口の選択が遅れることがあり、チーム全体の流れを崩す要因にもなりかねません。 また、緊迫した状況下では、プレッシャーに押されて急いで判断を下すため、計算されたリスク管理ができず、無駄なミスに繋がることもるのです。 今後は、実戦経験を積むことで状況認識力や判断の迅速さがさらに磨かれ、安定した攻守の切り替えが実現されることが期待されます。
- フィジカル面での課題：爆発的なスピードと俊敏性を誇る一方で体格や筋力面ではより逞しい選手に比べて劣る点が指摘されています。 特に1対1の状況では、相手の強靭なボディコンタクトに対応しきれずディフェンスで圧倒されることが多いのです。 空中戦や接触プレーにおいては、ジャンプ力やフィジカルの強さが不足し、相手に優位を取られてしまう場面が散見されます。 これにより試合中の激しいボディコンタクトで安定感を欠き相手にリズムを掴まれるリスクが高まるのです。 今後は、筋力トレーニングなどでフィジカル面の強化を図ることがさらなる向上の鍵となるでしょう。
まとめ
ジェレミー・フリンポンは、攻守両面でチームに影響を与える現代サッカーの新たなフルバック像を提示している選手です。
彼の爆発的なスピードと高い持久力は、サイドラインを縦横無尽に駆け抜ける原動力となり相手ディフェンスに対して絶え間ないプレッシャーをかけています。 ボール奪取後、即座に前線へ切り替えるその動きは、シンプルかつ効率的なボールコントロールとドリブルで狭いスペースさえも生かし、カウンター攻撃の起点として機能させるでしょう。
一方で、攻撃に熱中するあまり、バックラインへの素早い復帰が遅れる局面もあり、相手にカウンターのチャンスを与えるリスクが指摘されることもあるでのです。
総じて、フリンポンはその積極的な攻撃参加でチームの戦術に革新をもたらす核となる存在であり、今後の成長と更なる飛躍に大いに期待されています。
レバークーゼンを無敗優勝に導いた一人がリバプールに来ました。退団するアーノルドの後釜と期待されているのでどんな成績を残して優勝に導けるか注目です！
最後までお読みいただきありがとうございました。