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【センヌ・ラメンス】プレースタイル解説:反応速度とスイーパー能力で魅せる守護神の真髄

センヌ・ラメンス サッカー選手

センヌ・ラメンスは、マンチェスター・ユナイテッドのゴールマウスを守る若き守護神として注目を集めています。ベルギー出身の彼は、優れた反応速度と果敢なスイーパー能力を武器に、相手のシュートやスルーパスを封じ込める頼れる存在です。

さらに、現代のGKに求められる足元の技術と正確なフィードで、攻撃の起点となるプレーも魅力の一つでしょう。

本記事では、ラメンスのプレースタイルやゴールキーパーとしての特徴を徹底解説し、彼がユナイテッドの最終ラインの要としてどのように活躍しているのか、その全貌に迫ります。

プロフィール

センヌ・ラメンス サッカー選手
  • 国籍:ベルギー
  • 生年月日:2002年7月7日、23歳
  • 出身地:ベルギー、ゾッテゲム 
  • 身長:193cm
  • 体重:92kg
  • ポジション:ゴールキーパー(GK)
  • 利き足:右足
  • 現所属チーム:マンチェスター・ユナイテッドFC
  • 背番号:31
  • 今シーズン試合出場数:5試合出場、7失点1クリーンシート(2025年11月15日現在)
  • 市場価値:2000万€(2025年10月17日現在)
  • 給料:週給6万£→年収312万£
  • 契約満了日:2030年06月30日
  • エピソード:マンチェスター・ユナイテッドのファンであり入団時、子供の頃の夢が叶ったと語った。

キャリア&タイトル

センヌ・ラメンス サッカー選手

経歴

  • クラブ歴
  • クラブ・ブルッヘ(2019~2023):4試合出場、5失点1クリーンシート
    • 2014年にアカデミー入団。2021年7月18日、KRCヘンク戦でトップチームデビュー。
  • ロイヤル・アントワープFC(2023~2025):64試合出場、86失点12クリーンシート
    • 2023年6月8日、4年契約でフリー移籍加入。2023年11月1日、リールセ・ケンペンゾーネ戦でチームデビュー。
  • マンチェスター・ユナイテッドFC(2025~現在):5試合出場、7失点1クリーンシート
    • 2025年8月31日、5年契約で加入。2025年10月14日、サンダーランド戦でチームデビュー。移籍金2100万€                               
  • 代表歴
  • ベルギーU-15代表(2017):1試合出場、2失点
  • ベルギーU-16代表(2017-2018):8試合出場、10失点4クリーンシート
  • ベルギーU-17代表(2018-2019):9試合出場、12失点4クリーンシート
  • ベルギーU-18代表(2019):2試合出場、3失点1クリーンシート
  • ベルギーU-21代表(2021~現在):9試合出場、6失点5クリーンシート

タイトル歴

  • クラブ
  • クラブ・ブルッヘ
    • ジュピラー・プロ・リーグ:2020-2021、2021-2022
    • プロ・リーガ・スーパーカップ:2021-2022、2022-2023
  • ロイヤル・アントワープFC
    • プロ・リーガ・スーパーカップ:2023-2024  
  • 代表
  • なし

プレースタイル

2025-2026試合データ

センヌ・ラメンス サッカー選手
センヌ・ラメンス サッカー選手

PSxG-GAは+0.39 (98%)と極めて優秀で、失点は1.25 (52%)と平均的ながら、守備貢献度は非常に高いといえます。セーブ率は77.8% (87%)、クロス停止率は12.5% (99%)と、シュートストップとクロス対応は最高レベルの能力を示しているでしょう。PSxG/SoTは0.28 (36%)と質の高いシュートを受ける状況が多い一方、ペナルティキック時セーブ率は75.0% (92%)で、プレッシャー下での反応力が際立っています。タッチ数42.75 (92%)に対し、打ち上げ率は34.3% (40%)と、ビルドアップに積極的に関与しショートパスを好む傾向です。総合すると、世界最高レベルのシュートストップ能力とクロス対応力を持ち、現代的なビルドアップにも貢献できる一方で、クリーンシート率10.0% (5%)の改善がチーム守備全体の課題となるでしょう。

引用FBREF、Senne Lammens (2025年11月15日現在)

プレースタイルの特徴

現代フットボールにおいて、ゴールキーパーの役割は劇的に進化を遂げています。もはや単なる最後の砦ではなく、ビルドアップの起点として、そしてディフェンスラインの背後を守るスイーパーとして、チーム戦術において不可欠な存在です。センヌ・ラメンスは、まさにこの現代的GK像を体現する選手の一人でしょう。彼のプレースタイルには以下の特徴があります。

  • 驚異的なショットストップ能力:2024-2025シーズン、ベルギー・ジュピラープロリーグで誰よりも多くのセーブを記録し、ヨーロッパ主要リーグ全体を見渡しても最多のセーブ数を誇る活躍を見せました。若手ゴールキーパーとして最も多くの攻撃的なパスも記録しており、守備だけでなく攻撃面でも貢献しています。セーブ率は極めて高い水準にあり、ヨーロッパトップクラスのゴールキーパーと比較しても遜色ない数字を残しています。相手のシュートを確実に止める安定感と、危機的な場面での集中力の高さが、彼のショットストップ能力の核心と言えるでしょう。
  • 技術的に完成された反射神経とポジショニング:優れた反射神経を持ち、一般的にセービング技術とポジショニングの基礎が非常にしっかりしたゴールキーパーとして評価されている点が特徴です。193cmという長身でありながら、その体格を活かした瞬発力と反応速度を兼ね備えているでしょう。元リバプールのゴールキーパー、ミニョレは「彼は体格と能力を持っており、イングランドで成功できる。大柄で、爆発的で、ハイボールに強く、他のゴールキーパーが止められないボールを止めることができる」と高く評価しています。トッテナム戦では、至近距離からのヘディングシュートに対し、信じられないような反応で対応し、その直後にも強烈なボレーシュートをセーブするなど、一瞬の判断力と身体能力の高さを証明しました。
  • 世界屈指のPKストップ能力:最も際立った特徴の一つが、PKストップにおける圧倒的な成功率です。直近9本のPKで5本のセーブを記録し、その身長、リーチ、そして反射神経を存分に発揮している実績があります。この数字は単なる偶然ではなく、PKに臨む際の準備と分析、そして決定的な瞬間での判断力の賜物と言えるでしょう。相手キッカーの動きを読み取る洞察力と、最後の瞬間まで待ってから反応する忍耐力が、彼のPKストップを支えています。この能力は、接戦や重要な試合において勝敗を左右する決定的な武器となり、チームに大きな安心感を与える要素です。
  • 積極的なスイーパー能力と支配力:ポゼッション時に積極的に関与し、ゴールラインから頻繁に飛び出していたことが明らかになっています。現代サッカーで求められる「スイーパーキーパー」としての役割を理解し、ペナルティエリア外でも果敢にプレーする勇気を持っているでしょう。2024-2025シーズン、相手チームが466本のオープンプレーからのクロスをペナルティエリアに入れたのに対し、ラメンスはそのうち42本を確実にキャッチし、9.0%のクレーム率を記録しました。コーナーキックからも12回のクレームを記録し、プレミアリーグでオナナが記録した6回の2倍の数字を誇ります。ペナルティエリアを完全に支配する姿勢は、守備陣に大きな安心感を与えているでしょう。
  • 両足を使いこなす配球能力と戦術理解:両足でボールを扱うことに長けており、フットボール的な解決策を常に探求するゴールキーパーとして知られています。ロングボールの成功率は52.4%で、オナナの36.6%を大きく上回っているデータが示すように、長短のパスを使い分ける能力に優れているでしょう。サンダーランドとのデビュー戦では、右足と左足の両方でキックする際に落ち着いた様子を見せたと報じられており、どちらの足でも正確な配球が可能です。マヌエル・ノイアーやティボー・クルトワを手本にしているという彼の言葉通り、現代的なゴールキーパーとして必要な全ての要素を備えています。攻守両面でチームに貢献できる多様性が大きな魅力と言えるでしょう。

弱点

  • 経験不足による不安定さ:ファーストチョイスのゴールキーパーとして最初のシーズンを終えたばかりなので、確実に改善の余地があると評価されています。元プレミアリーグのゴールキーパー、デビッド・ジェームズは「クロスが選手の足を通過したことは分かるが、奇妙なことに、これは彼の場合、他のどのゴールキーパーよりも頻繁に起こる。だから彼が改善しなければならない部分がある」と指摘しているのです。トップレベルでの試合経験が少ないため、複雑な状況での判断力や、予測不可能な展開への対応力には発展途上の部分が残されているでしょう。
  • トップレベルでの実績不足による不確実性:23歳という若さでゴールキーパーとしてはまだ非常に若く、特にマンチェスター・ユナイテッドのようなクラブでは若すぎると指摘されています。ゲイリー・リネカーは「昨シーズン、どのゴールキーパーよりも多くのセーブを記録したとされているが、それは必ずしも聞こえる通りの意味ではない。ロイヤル・アントワープが単に弱いチームだった可能性がある」と述べ、アラン・シアラーも「彼が置かれた状況を考えると若すぎる」と懸念を示しているのです。ファーストチョイスとしてのシーズンがわずか一年しかないため、長期的なパフォーマンスの安定性や、様々な戦術システムへの適応力については未知数の部分が多く残されているでしょう。
  • 配球の精度不足と判断ミス:ベルギーの専門家タムシンは「真にトップクラスになるためには、彼は精度を向上させる必要がある。試合ごとにミスをする勇気があり、それは通常、特定の状況における経験不足が原因」だと指摘しています。これらは通常、キックミスなどの小さなミスだが、いくつかはミスパスや状況判断の誤りによって失点につながっているでしょう。統計サイトWhoScoredでは、ラメンスの「ロングパス」が弱点として分類されていることからも、足元の技術はあるものの、長距離の配球における正確性には改善の余地があることが分かるのです。

まとめ

センヌ・ラメンスは優れた反射神経と高いフィジカル能力を武器に、ゴールマウスを守る若き守護神です。相手がシュートを放つ瞬間には瞬時に反応し、圧倒的なセーブ率で失点を防ぎ続けます。ペナルティエリア内のスペースをいち早く察知して積極的に飛び出し、DFラインと連動しながら最終ラインを統率する"スイーパーキーパー"的役割も担うでしょう。攻守の切り替えでは無駄のない両足での配球やロングフィードでカウンターの起動役となり、チームのリズムを一気に引き上げることが可能です。常に前後左右を俯瞰し、味方の攻め上がりをケアしつつ次の攻撃を見据える、そのエリア支配を巡る駆け引きが最大の持ち味と言えます。

一方で、配球面ではロングパスの精度やプレッシャー下での判断力に乏しく、縦へのキック精度にムラがあるため、ビルドアップを停滞させる場面が散見されるでしょう。また、ボールをキャッチせず弾く傾向から、セカンドボールを相手に与えるリスクがつきまとい、空中戦でのボール保持力にも課題があります。これらを改善しないままでは、"守護神"としての安定感が揺らぎかねません。

総じて、ラメンスは現代サッカーに欠かせないオールラウンド型ゴールキーパーを体現する選手です。抜群のショットストップとスイーパー能力で相手の攻撃を確実に封じ込め、最終ラインの統率役としてチームに安心感をもたらします。ここに配球精度の向上やキャッチング技術の徹底が加われば、まさに世界最高峰のGKとしての完成度が高まり、チームの守備をより一層支配する存在へと進化するでしょう。

構想外となってトラブゾンスポルへローン移籍となったオナナの後釜として移籍してきました。ここまでは、予想以上の活躍なのでこのまま行けるか、今後に注目です!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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