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【ニック・ヴォルテマーデ】プレースタイル解説:得点力と創造性で魅せる攻撃の真髄

ニック・ヴォルテマーデ サッカー選手

ニック・ヴォルテマーデは、ニューカッスルの攻撃陣を牽引する多彩なアタッカーとして脚光を浴びています。

ドイツ出身の彼は、鋭い得点嗅覚と巧みなポジショニングを武器に、相手守備陣を翻弄する脅威的な存在です。さらに、右足から繰り出される精度の高いシュートや、サイドからの鋭いカットインで決定的な場面を演出するプレーも大きな魅力の一つでしょう。

本記事では、ヴォルテマーデのプレースタイルや攻撃の特徴を徹底解説し、彼がニューカッスルの攻撃の核としてどのように活躍しているのか、その全貌に迫ります。

プロフィール

ニック・ヴォルテマーデ サッカー選手
  • 国籍:ドイツ
  • 生年月日:2002年2月14日、23歳
  • 出身地:ドイツ、ブレーメン
  • 身長:198cm
  • 体重:75kg
  • ポジション:センターフォワード(CF)
  • 利き足:右足
  • 現所属チーム:ニューカッスル・ユナイテッドFC
  • 背番号:27
  • 今シーズン試合出場数:6試合出場、2得点0アシスト(2025年9月23日現在)
  • 市場価値:3000万€(2025年6月5日現在)
  • 給料:週給13.25万£→年収689万£
  • 契約満了日:2031年6月30日
  • エピソード:2020年2月1日、アウクスブルク戦でデビューし、17歳11ヶ月16日でブレーメン史上最年少のブンデスリーガ選手となった。

キャリア&タイトル

ニック・ヴォルテマーデ サッカー選手

経歴

  • クラブ歴
  • ヴェルダー・ブレーメン(2020~2024):51試合出場、2得点1アシスト
    • 下部組織出身。2020年2月1日、アウクスブルク戦でプロデビュー。
  • SV07エルフェアスベルク(2022-2023):35試合出場、17得点10アシスト
    • 2022年8月30日、ローン移籍。2022年9月4日、メッペン戦でチームデビュー。
  • VfBシュトゥットガルト(2024-2025):36試合出場、18得点3アシスト
    • 2024年7月1日、4年契約でフリー移籍。2024年8月24日、フライブルク戦でチームデビュー。
  • ニューカッスル・ユナイテッドFC(2025~現在):3試合出場、1得点0アシスト
    • 2025年8月30日、6年契約で移籍。2025年9月13日、ウルヴァーハンプトン戦でチームデビュー。移籍金7500万€
  • 代表歴
  • ドイツU-16代表(2018):2試合出場
  • ドイツU-17代表(2018-2019):13試合出場、3得点
  • ドイツU-20代表(2021-2022):7試合出場、2得点
  • ドイツU-21代表(2023~2025):18試合出場、13得点10アシスト
  • ドイツ代表(2025~現在):4試合出場、0得点1アシスト

タイトル歴

  • クラブ
  • SV07エルフェアスベルク
    • 3.リーガ :2022-2023
    • Saarlandpokal :2022-2023
  • VfBシュトゥットガルト
    • DFLスーパーカップ :2024-2025
  • 代表
  • なし

プレースタイル

2025-2026試合データ

ニック・ヴォルテマーデ サッカー選手
ニック・ヴォルテマーデ サッカー選手

攻撃の起点作りは優秀で、パス試行25.41(84%)、成功率70.2%(43%)、プログレッシブパス2.54(83%)でビルドアップに大きく貢献しています。ショット創出4.03(95%)と圧倒的な数値を誇る一方、非PKゴール0.53(77%)&npxG0.39(63%)で創造力に比べ得点効率はやや物足りません。プログレッシブキャリー1.58(72%)&成功テイクオン1.58(95%)と個人突破力は非常に高く、攻撃の多様性において大きな武器です。守備はタックル0.67(57%)と平均的ながら、ブロック1.20(95%)、エアリアル勝利2.49(70%)で対人守備に一定の強みを見せます。インターセプト0.10(20%)&クリアランス0.86(58%)と予測的な守備や最終ライン対応には改善余地があり、卓越したチャンス創出力と個人技でチーム攻撃を活性化する反面、フィニッシュ精度と守備時の読みの向上が今後の成長ポイントとなるでしょう。

引用FBREF、Nick Woltemade (2025年9月23日現在)

プレースタイルの特徴

ニック・ヴォルテマーデは、身長198cmの恵まれた体格を持ちながら、優れた技術力とドリブル能力を兼ね備えた現代型ストライカーです。彼のプレースタイルには以下の特徴があります。

  • 身体能力と技術力を兼ね備えた現代型ストライカー:身長198cmという恵まれた体格を持ちながら、この大柄な体型からは想像できない優れた技術力と機動性を兼ね備えています。チームメイトから「ヴォルテメッシ」という愛称で呼ばれるほど、その巧みな足さばきとドリブル能力は多くの人を驚かせるでしょう。従来の大型フォワードが持つ「重い」印象とは正反対で、軽やかなタッチとスムーズな身のこなしを見せます。彼の最大の特徴は、アーリング・ハーランドのように大きな体格でありながら高い機動性を保っている点です。この組み合わせにより、従来のターゲットマン型ストライカーとは一線を画す多様性を持ったプレースタイルを確立しています。空中戦での優位性を保ちながら、地上戦でも相手を翻弄できる二刀流的な能力は、現代サッカーにおいて非常に希少な武器となっているのです。
  • 卓越したドリブル技術とボールコントロール:ボールが足に吸い付くようなドリブル技術を持ち、17歳の頃から相手ディフェンスを軽々と抜き去ってきました。密集した守備陣を突破する優れたボールコントロール能力により、狭いスペースでも効果的にプレーできるでしょう。特に右足の精度は抜群で、トラップからドリブル、そしてシュートまでの一連の流れが非常にスムーズです。この技術力は単なる個人技にとどまらず、チーム戦術においても重要な役割を果たします。相手の守備ラインを押し下げ、チームメイトのためのスペースを創出する能力は、現代サッカーにおいて非常に価値の高いスキルといえるでしょう。また、プレッシャーを受けた状況でも冷静にボールをキープし、適切な判断でパスを供給できるため、攻撃の起点としても機能するのです。
  • 鋭い動き出しとゴール嗅覚:守備ラインの裏への鋭い動き出しとそのタイミングの良さです。この能力により、相手ディフェンスの隙を突いて決定的なチャンスを演出することができます。彼の動きは予測が困難で、静から動への切り替わりが非常に素早く、相手マーカーを置き去りにすることが頻繁にあるでしょう。背中を相手に向けてボールをキープしながら、巧みにリンクプレーを展開し、守備ラインを押し広げる動きにも長けています。これらの多彩な動きが、チーム全体の攻撃にダイナミズムをもたらしています。また、ボールを持たない時の動きも秀逸で、常に相手守備陣にプレッシャーを与え続けているのです。
  • 得点力以上の貢献度:「自分のゲームはゴールだけではない」と語っているように、彼の価値は純粋な得点力だけにとどまりません。チームプレーを重視し、攻撃の起点となる役割も担っています。パスの精度も非常に高く、特にスルーパスやサイドチェンジなど、試合の流れを変える決定的なパスを供給する能力に長けているでしょう。フォワードとアタッキングミッドフィルダーの両ポジションでプレーできることにより、戦術的な柔軟性をチームにもたらします。これは現代サッカーにおいて、監督にとって非常に重要な戦術的オプションとなるでしょう。試合状況に応じてポジションを流動的に変えることで、相手の守備組織を混乱させる効果もあるのです。
  • セットプレーでの脅威:198cmという身長を活かし、セットプレーでは常に相手にとって脅威的な存在となります。しかし興味深いことに、彼の強みは必ずしもヘディングだけではありません。優れた技術力により、セットプレーの場面でも多様なオプションを提供できる選手です。コーナーキックやフリーキックの際には、相手ディフェンスは彼の身長に注意を向けがちですが、実際には足元の技術を活かした崩しも得意としています。また、セットプレーの蹴り手としても能力を発揮し、右足の精度を活かしたクロスやダイレクトシュートも武器の一つです。守備時のセットプレーでも、その身長と跳躍力でチームの守備に貢献し、攻守両面でセットプレーの重要な要素となっているでしょう。

弱点

  • 空中戦の能力不足:身長198cmという体格にも関わらず、空中戦は彼のキャリアの大部分において最大の弱点の一つ でした。多くの解説者や観戦者は、彼の身長から典型的なターゲットマンとしての能力を期待しますが、実際のヘディング精度や空中でのボール競り合いは期待値を下回っています。この弱点は特にセットプレーやクロスボールの場面で顕著に現れ、チームの攻撃オプションを制限する要因となっているでしょう。近年改善は見られるものの、同身長の他の選手と比較すると、まだ空中戦での支配力は十分とは言えません。コーナーキックやフリーキックなどの場面で、彼の身長を活かしきれていない状況が散見されます。この課題により、チームは彼を空中戦の主要なターゲットとして活用することが困難で、戦術的な選択肢が狭まる傾向があるのです。
  • フィニッシュ力の課題:ヴェルダー・ブレーメンでシニアレベル初ゴールを決めるまでに49試合 を要しました。この統計は、彼の創造性やビルドアップ能力に比べて、決定機での冷静さや確実性に大きな課題があることを示しています。特に1対1の場面やペナルティエリア内での判断力に改善の余地があるでしょう。プレッシャーのかかる重要な場面でのメンタルの強さや、様々な角度からのシュート精度にも課題が見られます。右足の技術は高いものの、咄嗟の判断でのシュート選択や、ゴールキーパーとの駆け引きにおいて経験不足が露呈することがあります。このフィニッシュ力の不安定さが、チームの得点力向上における最大の障壁となっているのです。
  • ゴールエリアへの侵入頻度:彼のクリエイティブなプレースタイルの結果として、典型的なストライカーに期待されるゴール前での存在感が薄くなる傾向があります。攻撃の起点となることを優先するあまり、最も得点の可能性が高いペナルティエリア内でのプレー頻度が相対的に少なくなっているでしょう。これにより、チームの得点機会の総数が減少し、特に膠着した試合状況でのゴール不足につながる可能性があります。また、クロスボールやこぼれ球に対する反応速度や嗅覚にも改善の余地があるでしょう。ボール保持者としての能力は高いものの、ボールを持たない時の動きやポジショニングで、より積極的にゴールエリアに侵入する意識が求められます。この課題は、彼の多面性が逆に専門性を薄めてしまっている典型例といえるのです。
  • フィジカルコンタクトでの安定性:大柄な体格を持ちながら、激しいフィジカルコンタクトの場面でのバランス維持や体の使い方に課題があるでしょう。特に相手ディフェンダーからの厳しいマークや当たりに対して、十分に対抗できない場面が見受けられます。この弱点により、プレッシャーの強い試合では彼の持ち味であるボールキープ能力が制限され、チーム全体の攻撃リズムが崩れる要因です。また、空中戦での競り合いにおいても、身長の割にはフィジカルの強さを活かしきれていない状況があります。プレミアリーグのような激しいリーグでプレーする上で、体幹の強化やボディバランスの改善は急務といえるでしょう。現代サッカーの激しさに対応するため、フィジカル面でのさらなる向上が彼の成長にとって不可欠な要素となっているのです。

まとめ

ニック・ヴォルテマーデは優れた技術力と恵まれた体格を武器に、攻撃陣で多彩な役割を担う現代型ストライカーです。ボールを受けると瞬時にドリブルのスイッチを入れ、巧みな足さばきとスムーズな身のこなしで相手守備陣を翻弄します。背後のスペースをいち早く察知して鋭く動き出し、チームメイトと連動しながら攻撃ラインを牽引する"クリエイター"的役割も担うでしょう。攻守の切り替えでは無駄のないワンタッチパスやスルーパスでカウンターの起点となり、チームの攻撃リズムを一気に引き上げることが可能です。

常に前後左右を俯瞰し、味方の動きをケアしつつ次のプレーを見据える、その空間認識能力を巡る駆け引きが最大の持ち味と言えます。一方で、決定機ではフィニッシュ精度や冷静さに乏しく、空中戦での競り合いにムラがあるため、期待される得点を奪い切れない場面が散見されるでしょう。また、創造性を重視するプレースタイルから、ゴールエリアへの侵入頻度が不足し、純粋なストライカーとしての脅威度が薄れることもあります。これらを改善しないままでは、"攻撃の核"としての決定力が揺らぎかねません。

総じて、ヴォルテマーデは現代サッカーに欠かせない攻撃的多様性を体現する選手です。抜群の技術判断とリンクプレー能力で攻撃の幅を確実に広げ、攻撃陣の創造役としてチームに新たな可能性をもたらします。ここに決定機でのフィニッシュ精度向上や空中戦での強化が加われば、まさにオールラウンドFWとしての完成度が高まり、チームの攻撃をより一層支配する存在へと進化するでしょう。

イサクの後釜として移籍してきました。移籍金が高すぎると言われていますが、それに見合う活躍が出来るか注目です!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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