
マキシム・デ・カイペルは、ブライトン&ホーヴ・アルビオンの左サイドを支える若きサイドバックとして注目を集めています。ベルギー出身の彼は、高い戦術眼で相手の攻撃をいち早く見抜き、豊富な運動量を駆使して守備のバランスを保つ守護者です。
さらに、両足を自在に使い分けるパス精度や、隙を突く縦への飛び出しで攻撃のアクセントを加えるプレーも魅力のひとつでしょう。
本記事では、デ・カイペルのプレースタイルと戦術的役割を徹底解説し、彼がチームを支えるサイドバックとしてどのように貢献しているのか、その全貌に迫ります。
プロフィール

- 国籍:ベルギー
- 生年月日:2000年12月22日、24歳
- 出身地:ベルギー、クノック=ヘイスト
- 身長:182cm
- 体重:72kg
- ポジション:左サイドバック(LB)
- 利き足:右足
- 現所属チーム:ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC
- 背番号:29
- 今シーズン試合出場数:0試合出場、0得点0アシスト(2025年8月17日現在)
- 市場価値:1600万€(2025年6月12日現在)
- 給料:不明
- 契約満了日:2030年06月30日
- エピソード:ハイストを経て、2008年にクラブ・ブルッヘの下部組織へ入団した。
キャリア&タイトル

経歴
- クラブ歴
- クラブ・ブルッヘ(2019~2025):114試合出場、9得点22アシスト
- 2020年2月21日、UEFAヨーロッパリーグ、マンチェスター・ユナイテッド戦でトップチームデビュー。
- KVCウェステルロー(2021~2023):68試合出場、15得点12アシスト
- 2021年8月2日、出場機会を求めてローン移籍。2021年8月16日、RE Virton戦でチームデビュー。
- ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC(2025~現在):0試合出場、0得点0アシスト
- 2025年7月5日、5年契約で移籍。移籍金2000万€
- 代表歴
- ベルギーU-16代表(2016):3試合出場
- ベルギーU-19代表(2018):1試合出場
- ベルギーU-21代表(2022-2023):8試合出場、1得点1アシスト
- ベルギー代表(2024~現在):10試合出場、3得点1アシスト
タイトル歴
- クラブ
- クラブ・ブルッヘ
- ジュピラー・プロ・リーグ:2019-2020、2021-2022、2023-2024
- プロ・リーガ・スーパーカップ:2021-2022
- ベルギーカップ:2024-2025
- KVCウェステルロー
- 1B・プロ・リーグ:2021-2022
- 代表
- なし
プレースタイル
2025-2026試合データ


攻撃面でプログレッシブパス3.93(56%)とショットを生み出すアクション2.54(73%)を記録し、攻撃の起点作りに貢献しています。しかし、アシスト0.00(7%)やxAG0.11(60%)、npxG+xAG0.16(56%)と、ゴールやアシストへの直接的な期待値は平均的かそれ以下で、非ペナルティゴール0.08(75%)を除くと得点創出力にはやや物足りなさがあるでしょう。ショット数0.85(73%)はまずまずの水準ですが、フィニッシュ精度向上が望まれます。守備面ではインターセプト1.08(66%)とブロック1.31(73%)が高く、相手攻撃を効果的に封じ込めているでしょう。一方でクリアランス1.23(3%)やエアリアル勝利0.62(33%)が低く、空中戦や最終ライン対応に課題があります。プログレッシブキャリー1.08(10%)や成功テイクオン0.31(20%)も低水準で、個人突破力の強化が今後の課題となるのです。
引用:FBREF、Maxim De Cuyper (2025年8月17日現在)
プレースタイルの特徴
マキシム・デ・カイペルはブライトン&ホーヴ・アルビオンの左右を自在に駆け上がる若きサイドバックです。ベルギー出身の彼は、精緻な戦術眼と無尽蔵の運動量を武器に守備の安定化と攻撃の起点化を同時に果たします。両足を使い分けるパス精度や鋭い縦突破も兼ね備え、現代型SBの理想形に迫るプレーヤーと言えるでしょう。彼のプレースタイルには以下の特徴があります。
- 戦術眼に裏打ちされたポジショニング:相手のビルドアップ時にボールの循環パターンを瞬時に読み取り、プレスを仕掛ける最適なタイミングと位置を選択します。ウインガーへのアプローチは速攻かつ正確でありながら、中央のスペースをCBと連動してしっかりカバーする“二重守備”を実践するでしょう。ライン間への飛び出しを許さないために体の向きや間合いを細かく調整し、侵入ルートを完全に塞ぎます。相手が逆サイドチェンジを試みる際には大きくスライドし、最小限のリスクで守備ラインを維持する守備統率力を発揮するのです。こうした緻密なポジショニングによって、デ・カイペルはチーム全体の守備連動性を高め、安定したラインを支えているでしょう。
- 無尽蔵な運動量で生む攻守の両立:90分で10kmを超える走行距離を誇り、試合開始から終了まで上下動を絶やさないスタミナを備えています。守備時には相手ウインガーへ即座にプレスをかけつつ、一瞬で深い位置まで戻ってサイドラインを固め、CBとの連携でラインの厚みを保つのです。攻撃に転じると瞬時に高い位置へ飛び出し、オーバーラップとアンダーラップを巧みに使い分けながら中盤とのワンツーでスペースを切り裂きます。ハイプレスを継続しつつセカンドボールへの反応速度を落とさず、特に試合終盤の相手の疲労時間帯に攻勢を支える追い風となるでしょう。 この持続力とスプリント力こそが、ブライトンのサイド攻防を絶え間なく支える大黒柱です。
- 両足精度の高いパス&クロス:左右両足で約85%以上のパス成功率を誇り、特に縦パスは1試合平均7本以上を通す視野の広さが特長です。ビルドアップ時にはセンターバックとのワンツーを多用し、数的優位を瞬時に作り出して中盤へリズムを供給します。相手が深いブロックを敷いた場合には、縦フィードで中盤と前線の間を鋭く突き、カウンターの起点を生み出すでしょう。オーバーラップからのクロスではアウトスイングとインスイングを状況に応じて使い分け、空中戦に強いFWへ最適な質とタイミングで供給します。加えて低いライザーパスや早いグラウンダークロスも得意としており、DFラインの逆を突く変化球で相手を翻弄するでしょう。これらの高精度な配球が攻撃パターンを多彩にし、サイドからの崩しと中央への侵入を同時に実現しているのです。
- 対人守備とインターセプト能力:低い重心と強靭な下半身を活かし、一対一で相手に簡単に剥がされないフィジカルの強さを誇るでしょう。相手のキックフェイントやドリブルの駆け引きを読み、体の向きと重心移動で最適な角度を取り、先読みインターセプトを仕掛けます。スライドタックルでは相手が最も嫌がるタイミングを見極め、精度高くボールを刈り取ることで連続プレーを未然に防ぐのです。ボール奪取後は落ち着いて味方へパスをつなぎ、カウンターの起点を迅速に作り出す攻守切り替え力を発揮します。さらに奪った直後のポジショニングを意識し、セカンドボールにも速やかに反応して継続的な攻撃チャンスを生み出すでしょう。この高い対人勝率とインターセプト精度が最後尾で“守備の盾”となり、チームに安定感と安心感をもたらすのです。
- オフェンス参加とサポートラン:攻撃局面でウインガーと絶えず呼応しながら、サイドラインを幅広く駆け上がってゲームをワイドに展開します。逆サイドからのクロスに合わせて中へ入り込む「二次動線」を意識的に作り出し、DFのマークを剥がしてスペースを生み出すでしょう。ペナルティエリア付近ではタイミングを計って飛び込み、混戦のこぼれ球を狙う積極的な動きで相手守備網をかき乱します。ニアポストへの挿入ランではDFラインの背後を巧みに突き、ウインガーとのワンツーで多彩なパスコースを演出するのです。攻撃参加後は自慢の走力とタイミングコントロールで素早く守備戻りし、プレスバックやCBとの連携補完にも遅れを取りません。この攻守両面を見据えたランニングとポジショニングが、デ・カイペルのバランス感覚を支える核となっているのです。
弱点
- 高い位置取りに伴うカウンターの脆弱性:オーバーラップを重ねて攻撃に厚みをもたらす一方で、背後に大きなスペースを残しがちです。相手ウインガーはその空いたサイドを狙い、スルーパスや縦への速攻で一気にライン裏へ侵入してきます。特に中盤でボールを奪った直後のカウンター時には、最終ラインに戻り切れないケースが頻出し、数的優位を作られてしまうでしょう。 復帰スプリントのスピード自体は速いものの、攻撃参加から守備切り替えまでの距離が長く、相手のスプリント力に押し込まれることがあります。高い位置でプレーする際は、CBやMFとの連動を強化しつつ、攻撃参加のタイミングを一瞬遅らせる判断が求められるのです。
- クロスとフィードの精度低下:左右両足で多彩なクロスとフィードを供給できますが、DFの厳しい寄せを受けるとキックフォームの組み立てが乱れ、精度が著しく低下してしまいます。狭いエリアではアウトスイングとインスイングの切り替えにタイムラグが生じ、ボールが流れ球になったりノーマークエリアへ飛ぶミスが散見されるでしょう。 特に中盤からタイトにプレスを受ける場面では、味方のポジションを確認しきれず、グラウンダーを選んだもののタイミングを逸してしまうことがあります。この結果、数的優位を活かせずに攻撃のリズムを崩されやすく、チャンスの芽を摘まれる要因となっているのです。DFのプレッシャー下でも正確に狙いを定め、狭いエリアで最適なパスコースを瞬時に判断する技術と判断力の両面でのトレーニングが求められるでしょう。
- 一対一の対応での判断遅延:体幹と重心移動を駆使した対人守備は得意ですが、相手が小刻みなフェイントを重ねると判断が一拍遅れてしまいます。 ドリブルの方向転換を察知して体を切り返すタイミングがずれると、イニシアチブを奪われて突破を許すケースが増えるでしょう。 仕留めに入るスライドタックルも多用しますが、踏み込みが合わずに手足を出してしまいファウルを誘発するリスクを抱えています。この判断の遅れが数的優位を崩し、守備ラインのリズムを乱す主因となっているのです。相手の重心移動を先読みする視野拡大トレーニングや、小スペースでの瞬発ステップワークドリルで反応速度を高める必要があるでしょう。
まとめ
マキシム・デ・カイペルは優れた戦術眼と無尽蔵の運動量を武器に、現代的サイドバックとして攻守を支えるキープレーヤーです。相手のパスコースを先読みしたプレススイッチの切り替えと、1対1・スライドカバーの対人守備で背後のスペースを的確に塞ぎます。攻守の切り替えではオーバーラップやインナーランを織り交ぜ、ワンタッチパスやロングフィードでサイドチェンジを仕掛け、チームにリズムとダイナミズムをもたらすでしょう。
一方で、DFからの厳しい寄せや狭いエリアでのクロス・フィード精度にムラが生じやすく、攻撃のテンポを断ち切るケースが散見されます。試合終盤まで衰えない運動量は魅力的ですが、累積警告による出場停止リスクを高める要因にもなっているでしょう。攻撃参加のタイミング調整と、プレッシャー下での精度維持を狙ったテクニカルワーク、カードマネジメント強化が急務です。
総じて、デ・カイペルは守備の安定感と攻撃の推進力を両立する“オールラウンドSB”への潜在力を秘めています。テクニックとリスク管理を補強すれば、サイドのダイナミズムと守備の堅牢性を兼備した真の万能型サイドバックへと飛躍し、チームを次なるステージへと導く存在となるでしょう。
エストゥピニャンの後釜としてブライトンに移籍してきました。三苫選手と同じサイドなので三苫選手の活躍に関与するキーマンになると思います。彼が今後、どんな活躍をするか注目です!
最後までお読みいただきありがとうございました。