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【ミッキー・ファン・デ・フェン】プレースタイル解説:広範囲カバーと驚異的なスピードで魅せる守備の芸術

ミッキー・ファン・デ・フェン サッカー選手

ミッキー・ファン・デ・フェンは、トッテナム・ホットスパーの最終ラインを支える現代的なセンターバックとして世界的な注目を集めています。オランダ出身の彼は、驚異的なスピードと広範囲をカバーする機動力を武器に、相手のカウンター攻撃を未然に防ぐ頼れる存在です。

さらに、的確なポジショニングと予測力の高さ、そして冷静な状況判断で危険なエリアを瞬時に察知し、ハイラインを支えるプレーも魅力の一つでしょう。

本記事では、ファン・デ・フェンのプレースタイルや守備の特徴を徹底解説し、彼がトッテナムの守備の要としてどのように活躍しているのか、その全貌に迫ります。

プロフィール

ミッキー・ファン・デ・フェン サッカー選手
  • 国籍:オランダ
  • 生年月日:2001年4月19日、24歳
  • 出身地:オランダ、ヴォルマー
  • 身長:193cm
  • 体重:81kg
  • ポジション:センターバック(CB)
  • 利き足:左足
  • 現所属チーム:トッテナム・ホットスパーFC
  • 背番号:37
  • 今シーズン試合出場数:16試合出場、6得点0アシスト(2025年11月9日現在)
  • 市場価値:5500万€(2025年10月17日現在)
  • 給料:週給9万£→年収468万£
  • 契約満了日:2029年06月30日
  • エピソード:2023-2024シーズンに時速37.38kmを記録し、最速記録を出した。

キャリア&タイトル

ミッキー・ファン・デ・フェン サッカー選手

経歴

  • クラブ歴
  • FCフォレンダム(2019~2021):48試合出場、2得点2アシスト
    • アカデミー出身。2019年10月5日、PSVU-21戦でトップチームデビュー。
  • VfLヴォルフスブルク(2021~2023):41試合出場、1得点3アシスト
    • 2021年8月31日、4年契約で移籍。2021年11月6日、アウクスブルク戦でチームデビュー。移籍金850万€
  • トッテナム・ホットスパーFC(2023~現在):67試合出場、9得点2アシスト
    • 2023年8月8日、6年契約で移籍。2023年8月13日、ブレントフォード戦でチームデビュー。移籍金4000万€
  • 代表歴
  • オランダU-21代表(2021~2023):11試合出場
  • オランダ代表(2023~現在):16試合出場、1得点1アシスト
    • EURO:2024出場

タイトル歴

  • クラブ
  • トッテナム・ホットスパーFC
    • UEFAヨーロッパリーグ:2024-2025                                                                     
  • 代表
  • なし

プレースタイル

2025-2026試合データ

ミッキー・ファン・デ・フェン サッカー選手
ミッキー・ファン・デ・フェン サッカー選手

攻撃面では、ペナルティエリア外シュート0.20(99%)、npxG0.12(99%)と極めて高品質なチャンス創出に貢献しています。ショット合計0.70(80%)、ショット創出アクション0.86(48%)で攻撃参加は活発ながら、アシスト0.00(27%)、xAG0.01(20%)と味方を活かす部分が課題でしょう。ビルドアップではパス試行回数59.55(59%)、パス完了率91.5%(87%)、プログレッシブパス3.64(59%)で安定したボール循環に貢献、タッチ数1.11(71%)でボール保持にも積極的です。守備面ではタックル1.31(38%)、インターセプト0.74(15%)、クリアランス3.93(22%)と守備貢献は控えめでしょう。ブロック1.19(50%)、成功テイクオン0.16(50%)は平均的な数値です。総合すると、高品質なシュートチャンス創出とパス精度で攻撃を牽引する一方、アシスト力と守備貢献の向上が今後の成長ポイントとなるでしょう。

引用FBREF、Micky van de Ven (2025年11月9日現在)

プレースタイルの特徴

ミッキー・ファン・デ・フェンは、プレミアリーグ最速のスピードと広範囲カバー能力、高い戦術理解度を兼ね備えた現代型センターバックの理想形でしょう。ハイライン戦術を支える守備の要として、トッテナムに不可欠な存在となっているのです。彼のプレーには以下の特徴があります。

  • プレミアリーグ最速のセンターバック:最大の武器は、センターバックとは思えない圧倒的なスピードです。トップスピードは時速37.87kmに達し、プレミアリーグ全体でも屈指の俊足を誇ります。この驚異的な走力により、ハイラインからの裏抜けに対しても素早く対応でき、相手フォワードとの競争で優位に立つことがでるでしょう。さらに、彼のカバーリング範囲は非常に広く、サイドバックがポジションを離れた際のスペースや、中央の危険なエリアまで瞬時にカバーすることが可能です。この機動力により、チーム全体が高い位置でプレスをかける戦術を可能にし、相手の攻撃を自陣深くまで侵入させない守備を実現しています。スピードを活かした積極的な守備は、現代サッカーにおいて理想的なセンターバック像を体現しているのです。
  • 1対1の守備と身体能力:1対1の守備能力は非常に高く、相手フォワードとの対峙において圧倒的な強さを発揮します。188cmの長身と強靭なフィジカルを持ちながら、スピードと俊敏性を兼ね備えているため、パワータイプの選手にもスピードタイプの選手にも対応できる万能性があるでしょう。特に、体を寄せながらもファウルを犯さない技術と、適切な距離感を保つポジショニングセンスは一級品です。また、彼はタックルのタイミングと強度のコントロールにも優れており、無謀な飛び込みを避けながらも必要な場面では果敢にボールを奪いに行く判断力を持っています。空中戦においても高さと跳躍力を活かし、クロスボールやセットプレーでの守備でも信頼性を発揮するでしょう。この総合的な身体能力の高さと技術の確かさが組み合わさることで、相手攻撃陣に対して常にプレッシャーを与え続けることができるのです。
  • ビルドアップ能力と攻撃への貢献:守備だけでなく、ビルドアップにおいても重要な役割を担っているでしょう。両足でボールを扱える技術力と、視野の広さを活かした正確なパス能力により、後方からの攻撃の組み立てをスムーズに行うことができます。特にプレスを受けている状況でも冷静にボールを運び、適切な判断でパスコースを選択する能力は、現代のセンターバックに求められる重要なスキルです。また、ロングボールの精度も高く、サイドチェンジや前線へのフィードで一気に攻撃のチャンスを作り出すこともできます。時には最終ラインから前方へドリブルで運び、相手のプレスラインを押し上げるプレーも見せるなど、攻撃的な一面も持ち合わせているでしょう。この攻守両面でのバランスの取れた能力が、トップチームで重宝される理由であり、チーム全体の戦術的な幅を広げる存在となっているのです。
  • コミュニケーション能力とリーダーシップ:ピッチ上でのコミュニケーション能力にも優れており、DFライン全体を統率する声の大きさとリーダーシップを発揮しています。まだ若手ながら、味方の位置を常に確認し、適切な指示を出すことで、守備組織全体の連携を高める役割を担っているでしょう。特にハイラインを維持する際には、オフサイドラインの調整やマークの受け渡しなど、細かい部分での意思疎通が重要になりますが、彼はこうした場面で積極的にコーチングを行います。さらに、経験豊富な選手とも対等にコミュニケーションを取り、チーム戦術の理解を深めながら、自身の役割を最大限に果たそうとする姿勢は高く評価されているでしょう。この若さでありながら見せる成熟したプロフェッショナリズムと、チーム全体を考えたプレーは、将来的にキャプテンとしてチームを率いる可能性も十分に秘めているのです。

弱点

  • 怪我のリスクと耐久性の課題:驚異的なスピードを活かした広範囲のカバーリングや、全力疾走を繰り返すプレーは、筋肉系の怪我、特にハムストリングや太もも周辺の負傷リスクを高めます。実際に、過去にはハムストリングの問題で離脱した経験もあり、スピードを武器とする選手特有の脆弱性を示しているでしょう。また、積極的な守備で相手に激しく寄せていくプレースタイルは、接触による怪我のリスクも伴います。特に膝や足首への負担は大きく、長いシーズンを通じてコンディションを維持することが課題です。プレミアリーグのような過密日程では、十分な回復期間を確保できないまま試合に出場することもあり、慢性的な疲労蓄積や小さな怪我の再発懸念があります。耐久性の向上とコンディション管理は、彼がキャリアを長く続けていく上で重要な要素となるでしょう。
  • 空中戦での不安定さ:193cmと高さは申し分ないが、空中戦では時折バランスを崩しやすく、競り合いで不利になる場面が見られます。特にフィジカルの強い大型ストライカー相手では、ジャンプのタイミングが遅れたり、体の寄せ方で押し切られることがあるでしょう。クロスやロングボールではポジショニングの良さがカバーするケースが多いものの、ヘディングの高さと空中での体の使い方に一貫性がないです。空中での安定感を高めるには、踏み切りの瞬間のコアブレーシング、腕の使い方、コンタクト後の着地までを含めた反復トレーニングが有効でしょう。短期的には対人の位置取りと事前の相手読みを強化し、長期的には身体の接触耐性とジャンプ力を同時に磨くと改善が見込めるのです。
  • 経験不足からくる判断ミス:キャリアの浅さから来る判断ミスは、複雑な局面での優先順位付けが曖昧になることで現れます。プレッシャーの高い場面や相手の緩急ある動きに対しては、最初に「守るべきゾーン」と「仕掛けるべき瞬間」を素早く選べず、結果としてラインを突破されることがあるでしょう。スピード頼みで前に出る癖は相手の逆を突かれやすく、視野の取り方と相手の重心変化の読みが未熟なサインです。改善には試合映像で典型的な局面を反復学習し、状況ごとの優先行動(カバーする軸、プレスの深度、横への援護)を身につけることが有効でしょう。メンタル面では落ち着いて情報を整理するためのルーティンと、ベテランとの連携トレーニングで判断の引き出しを増やすことが今後必要なのです。

まとめ

ミッキー・ファン・デ・フェンは、驚異的なスピードと広範囲カバーリング能力を武器に、現代サッカーに求められるセンターバック像を体現する選手です。圧倒的な俊足で相手の裏抜けを封じ、ハイラインを維持しながらチームの守備組織を支える姿は、まさに次世代のディフェンスリーダーとしての資質を感じさせます。優れた予測力と戦術理解度により、危険な場面を未然に防ぎ、1対1の守備でも高い勝率を誇る彼の存在は、チーム全体に大きな安心感をもたらすでしょう。さらに、ビルドアップ能力の高さとコミュニケーションスキルにより、攻守両面でチームに貢献し、若くしてリーダーシップを発揮する姿勢も評価に値します。

一方で、プレッシャー下での判断ミスやポジショニングの甘さ、空中戦での不安定さといったことは課題です。スピードに頼りすぎるあまり本来のポジションを離れすぎることや、感情的になりやすくカードリスクが高まる点は、今後の成長において改善が求められる部分でしょう。また、フィジカルコンタクトの強化や、より安定した空中戦のテクニック習得も必要です。これらの弱点を克服できなければ、世界最高峰のストライカーとの対峙で苦戦を強いられる可能性もあります。

総じて、ファン・デ・フェンは現代サッカーにおける理想的なセンターバックの要素を多く備えた逸材です。抜群のスピードとカバーリング範囲で相手の攻撃を封じ込め、ハイラインを支える守備の要としてチームに安定感をもたらします。ここに経験の積み重ねによる判断力の向上や、メンタルコントロールの徹底が加われば、まさに世界トップクラスのセンターバックとしての完成度が高まり、トッテナムの最終ラインをより一層支配する存在へと進化するでしょう。

CL、コペンハーゲン戦でソンフンミンを思い出させるようなゴールを決めました。今季からリーダー格の一人になったので今後の活躍に期待しましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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