
ランダル・コロ・ムアニは、トッテナムの攻撃陣を牽引する若きストライカーとして世界中から注目を集めています。フランス出身の彼は、爆発的なスピードと冷静な決定力を武器に、相手ゴールを脅かし続ける脅威的な存在です。
さらに、左右両足から放たれる多彩なシュートバリエーションや、スペースへの鋭い飛び出しで決定的な場面を演出するプレーも魅力の一つでしょう。
本記事では、コロ・ムアニのプレースタイルや攻撃の特徴を徹底解説し、彼がPSGの攻撃の核としてどのように活躍しているのか、その全貌に迫ります。
プロフィール

- 国籍:フランス、コンゴ民主共和国
- 生年月日:1998年12月5日、26歳
- 出身地: フランス、ボンディ
- 身長:187cm
- 体重:76kg
- ポジション:センターフォワード(CF)
- 利き足:右足
- 現所属チーム:トッテナム・ホットスパーFC
- 背番号:39
- 今シーズン試合出場数:3試合出場、2得点1アシスト(2025年9月4日現在)
- 市場価値:3000万€(2025年6月17日現在)
- 給料:不明
- 契約満了日:2026年06月30日
- ローン元契約満了日:2028年06月30日
- エピソード:東京オリンピックに出場するも三好康児への危険なプレーで一発退場処分となり破れ、母国メディアから酷評されてしまった。
キャリア&タイトル

経歴
- クラブ歴
- FCナント(2016~2022):87試合出場、23得点16アシスト
- 2018年8月、トップチーム昇格。2018年12月1日、サンテティエンヌ戦でチームデビュー。
- USブロニュー(2019-2020):15試合出場、3得点5アシスト
- 2016年8月9日、出場機会を求めてローン移籍。2019年8月31日、USアヴランシュ戦でチームデビュー。
- アイントラハト・フランクフルト(2022-2023):50試合出場、26得点17アシスト
- 2022年7月1日、5年契約でフリー移籍。2022年8月2日、マクデルク戦でチームデビュー。
- パリサンジェルマンFC(2023-2024):54試合出場、11得点7アシスト
- 2023年9月1日、5年契約で移籍。2023年8月16日、ニース戦でチームデビュー。移籍金9500万€
- ユヴェントスFC(2025):22試合出場、10得点3アシスト
- 2024年7月4日、出場機会を求めてローン移籍。2025年1月26日、ナポリ戦でチームデビュー。
- トッテナム・ホットスパーFC(2025~現在):0試合出場、0得点0アシスト
- 2025年9月1日、出場機会を求めてローン移籍。
- 代表歴
- フランスU-21代表(2020-2021):7試合出場、1得点
- フランスU-23代表(2021):1試合出場、1得点
- フランスオリンピック代表(2021):3試合出場、2アシスト
- フランス代表(2022~現在):31試合出場、9得点4アシスト
- FIFAワールドカップ:2022出場
- EURO:2024出場
タイトル歴
- クラブ
- FCナント
- クープ・ドゥ・フランス:2021-2022
- パリサンジェルマンFC
- リーグ1:2023-2024
- トロフェ・デ・シャンピオン:2023-2024
- クープ・ドゥ・フランス:2023-2024
- 代表
- なし
プレースタイル
2025-2026試合データ


攻撃面では、パス試行16.41(24%)と成功率69.8%(43%)でビルドアップ参加は限定的ながら、npxG0.44(72%)とxAG0.15(71%)で攻撃時の存在感を示しています。プログレッシブキャリー1.56(70%)は良好な一方、成功テイクオン1.56(94%)で個人突破力に優れた特徴を持っているでしょう。守備はタックル0.97(75%)、プログレッシブパスレック7.96(95%)で相手攻撃の遮断に長け、成功したテイクオン1.56(94%)と併せて1対1の対応力が際立ちます。インターセプト0.27(66%)、ブロック0.65(60%)は標準的ながら、クリアランス0.48(17%)とエアリアル勝利1.02(23%)で空中戦対応が大きな課題です。総合すると、地上戦での守備力と個人技術に優れたモダンなセンターバックである反面、ビルドアップでの貢献度向上と空中戦での対応力強化が今後の成長ポイントでしょう。
引用:FBREF、Randal Kolo Muani (2025年9月4日現在)
プレースタイルの特徴
コロ・ムアニの最大の特徴は、187cmと高身長ながら、同時に35.97km/hのトップスピードを誇ることです。この身長とスピードの組み合わせは現代サッカーにおいて極めて珍しく、彼の競技上の大きなアドバンテージとなっているでしょう。彼のプレーには以下の特徴があります。
- 圧倒的なスピードと加速力:187cmの長身を感じさせない爆発的な初速で、相手最終ラインを一気に突破するムアニのランニングは圧巻です。 GPSデータでは35km/h超のスプリントを何度も刻み、カウンター局面での一気の飛び出しを可能にしています。 中盤から味方がボールを収める瞬間には既に背後のスペースへ侵入し、受け手の優位性を最大化するのです。 さらに持続的なランニング量で90分間にわたり相手守備陣を揺さぶり続けることで、ディフェンスラインの疲労を誘発します。 こうした兼ね備えた持久力と瞬発力が、ムアニを“裏抜け王”たらしめる大きな要因です。 セットプレーや味方のサポートランでも瞬時にスペースを見極め、正確に加速して有利なポジション取りを実現するでしょう。
- 多彩なフィニッシュと冷静な判断力:左右両足のシュートに加え、ヘディングやボレーも高い精度を誇ります。 ペナルティエリア内でのわずかなスペースも逃さず、ワンタッチシュートでゴール枠内に収める冷静さが際立るでしょう。 ミドルレンジからのダイレクトシュートやコントロールシュートの使い分けに長け、状況に応じた最適解を即座に選択します。 決定的なシーンでは迷いなく振り抜くメンタリティを見せ、xG以上の得点をもたらすことが多いです。 これにより、味方が築いた攻撃を確実にゴールに結びつける“フィニッシュマシン”として機能します。 セットプレー時は飛び出しのタイミングを完璧に計り、クロスに反応して味方を活かすスペースメイクも得意とするのです。
- オフザボールの動き出しとポジショニング:動き出しはバリエーション豊かで、相手CBを翻弄するフェイクランが効果的です。 サイドから中央へ斜めに侵入するランは、味方のパスコースを増やし、逆サイドへの流動性を生み出します。 ディフェンスラインの死角を的確に突き、ブラインドサイドに瞬時にポジションを取るセンスは最上級でしょう。 また試合状況に応じて低めのポジションを取り、ビルドアップ段階からプレーに絡むことで攻撃の起点にもなります。 こうした“スペースメイク”の巧みさが、単なるフィニッシャー以上の万能型FWとしているのです。 さらにチーム戦術に応じてサイドライン際や中間ゾーンにも流れ、攻守両面で起点となる柔軟性も発揮するでしょう。
- 前線からのプレスと守備貢献:現代FWに求められる高強度のプレスを、ムアニは90分間一度も手を抜かず実行します。 相手のボール保持者に対して鋭くチャレンジを仕掛け、ビルドアップの起点を根こそぎ断つアグレッシブさが光るのです。 インターセプトやカットインのタイミングも絶妙で、プレス時には味方中盤と息の合った連動を見せます。 守備からの攻撃転換をスムーズにするためのリカバリーランも怠らず、常にチームのバランスを保つでしょう。 このように“第一の守備者”としての役割を果たしつつ、自身の得点機会を創出する二刀流ぶりが特徴です。 オフボール時にはフォーメーション維持を意識し、仲間との距離感を最適化しながらプレスの質を高めます。
- ポストプレーとビルドアップ支援:背負いながらボールをキープするポストアップを得意とし、ワンタッチで落としたボールを味方に展開します。 サイドへの落としから2列目の飛び出しを誘発し、攻撃バリエーションを増やす起点役を担うでしょう。 逆サイドへのスイッチプレーにも柔軟に対応し、チームの攻撃リズムを維持するのです。 時には中間スペースに下がってボールを引き取り、前線~中盤間のパスネットワークをスムーズに回します。 こうして自らがフィニッシュを奪うだけでなく、チーム全体のビルドアップにも深く関与するでしょう。 対面するDFとのフィジカルコンタクトにも強く、密集地帯でもバランスを崩さずにボールキープを可能にするのです。
弱点
- 空中戦での競争力:187cmの長身を持つものの、ジャンプのタイミングや踏み切りにわずかなずれが生じやすく、完全に制空権を握れないことがあります。 特に相手センターバックがフィジカルやヘディング技術に優れる場合、一拍遅れて競り合いに負けるシーンが散見されるのです。 セットプレー時のアプローチではポジショニング自体は適切でも、マークを外されやすく寄せきれない弱点が露呈します。 これにより、クロスやこぼれ球を拾う二次攻撃のチャンスを逃しがちで、得点機会の取りこぼしにつながるでしょう。 空中戦の勝率を高めるためには、踏み切り脚の強化やタイミング同期の反復練習が不可欠です。
- タイトなマークに対するパスワークと判断:スピードを生かすカウンターシーンでは優位に立つ一方で、相手のマンマークが厳しい局面ではボールを保持した瞬間に複数人に囲まれやすいです。 タイトなスペースでパスコースを探す判断が遅れると、そのままボールロストを招き、逆に相手カウンターを喰らうリスクが高まります。 ワンツーやサポートランとの連携が嚙み合わないと、選択肢を増やすための視野が十分に広がらず、一か所にボールが停滞しやすいです。 特にバックパスや横パスで局面を打開する発想が少なく、相手の守備ブロックを崩すための多角的アプローチが不足しています。 対策としては、狭いスペースでのワンタッチプレー練習と、マークをかわすフェイントのバリエーション強化が効果的なのです。
- 高強度プレーによる疲労蓄積とコンディション不安:90分間にわたる爆発的スプリントと高強度プレスは、シーズンを通じて累積疲労を急速に高める要因となります。 過密日程下ではリカバリーが追いつかず、筋肉系や腱の軽度な炎症が慢性化してしまうことがあるのです。 コンディションが万全でない試合では、スプリントのキレや切り返しの俊敏性が低下し、本来のストライカー性能を発揮できません。 これにより決定機への入り方や守備プレスのタイミングがずれ、パフォーマンスを大きく損ねる可能性があります。 適切なローテーション計画と、ウォームダウン/ストレッチを徹底した回復プログラムが不可欠です。
まとめ
ランダル・コロ・ムアニは爆発的なスプリント力と高精度なゴールセンスを両輪に、裏抜けとポストプレーを状況に応じて使い分ける現代的万能FWです。オフザボールではサイド/中央を自在に立ち回り、ディフェンスラインを撹乱しながら味方の攻撃パターンを次々と開拓するでしょう。左右両足・ヘディング・ボレーを駆使する冷静沈着なフィニッシュで、決定機を迷わず仕留める“フィニッシュマシン”として機能します。加えて前線から90分間継続する高強度プレスで“第一の守備者”となり、相手ビルドアップを根本から断つ攻守両面のインパクトは圧倒的です。
一方で、エリア外からのミドルシュート精度や空中戦の競り合いには安定感を欠き、遠距離の威嚇力やセットプレーでの強度がやや物足りません。タイトなマーク下ではパス判断が遅れがちで、システム変更時のポジショニング柔軟性にも課題が残ります。さらに連戦が続くと爆発力やプレスのキレが落ちやすく、コンディション維持の難しさが目立ちます。これらを放置すると万能型FWとしての安定感が揺らぎかねません。
総じてムアニは現代サッカーの要求に完全に応える逸材です。ここにミドルレンジ&ヘディング精度向上、狭いスペースでのワンタッチ&フェイント強化、マルチポジション適応力の習得、そして適切なローテーションによるコンディション管理が加われば、まさにオールラウンドFWとしての完成度は頂点に達し、チームの攻撃をさらに支配する存在へと進化するでしょう。
ユベントス移籍濃厚から最終日に急転直下トッテナムへのローン移籍が決まりました。名将のトーマスフランク監督の下でどんな化学反応を見せるか楽しみですね。今季一年、注目しましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。