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【ケルケズ・ミロシュ】プレースタイル解説:攻守に魔法をかけるサイドバックの全貌

ケルケズ・ミロシュサッカー選手

ケルケズ・ミロシュは、爆発的なスピードと驚異的な運動量を武器に攻守両面で文字通り魔法をかける若き左サイドバックです。

その圧倒的な上下動は、相手のビルドアップを寸断すると同時に、鋭いインターセプトやオーバーラップから正確無比なクロスで決定機を演出します。プレスバックからエアリアル勝負まで、180cmのフィジカルを活かしつつも軽やかなステップでこなすその身のこなしは、まさに未来型サイドバックの象徴とも言えるでしょう。

本記事では、攻守に魔法をかけるケルケズのプレースタイル全貌を徹底解剖します。

プロフィール

ケルケズ・ミロシュサッカー選手
  • 国籍:ハンガー、セルビア
  • 生年月日:2003年11月7日、21歳
  • 出身地:セルビア、ヴルバス
  • 身長:180cm
  • 体重:71kg
  • ポジション:左サイドバック(LB)
  • 利き足:左足
  • 現所属チーム:リヴァプールFC
  • 背番号:未定
  • 今シーズン試合出場数:0試合出場、0得点0アシスト(2025年6月29日現在)
  • 市場価値:4500万€(2025年6月5日現在)
  • 給料:不明
  • 契約満了日:2030年06月30日
  • エピソード:2020年8月23日、ドロギ戦にてトップチームデビューを果たすと2020年にはクラブ最優秀若手選手に輝いた。

キャリア&タイトル

ケルケズ・ミロシュサッカー選手

経歴

  • クラブ歴
  • ジェールETO FC(2020-2021):18試合出場、2アシスト
    • 2020年8月24日、Dorog戦でトップチームデビュー。
  • AZアルクマール(2022~2023):57試合出場、5得点8アシスト
    • 2022年1月29日、3年半契約で移籍。2022年7月22日、トゥズラ・シティ戦でチームデビュー。移籍金270万€
  • AFCボーンマス(2023~2025):74試合出場、2得点8アシスト
    • 2023年7月20日、5年契約で移籍。2023年8月12日、ウエストハム戦でチームデビュー。移籍金1787万€
  • リヴァプールFC(2025~現在):0試合出場、0得点0アシスト
    • 2025年6月26日、5年契約で移籍。移籍金4690万€
  • 代表歴
  • ハンガリーU-17代表(2020):2試合出場
  • ハンガリーU-21代表(2021~2022):8試合出場、1アシスト
  • ハンガリー代表(2022~現在):23試合出場、2アシスト
    • EURO:2024出場

タイトル歴

  • クラブ
  • なし
  • 代表
  • なし

プレースタイル

2024-2025試合データ

ケルケズ・ミロシュサッカー選手

プログレッシブキャリー2.86回(85%)とプログレッシブパス受け5.31回(74%)で中盤から前線へのドリブル突破と展開力が際立ちます。一方、シュート0.51本(41%)、npxG0.01(13%)と決定機化には課題があり、得点創出力は物足りません。守備面ではタックル1.40回(15%)、空中戦勝利0.76回(43%)と対人・空中戦でやや苦戦するものの、インターセプト1.21回(78%)でカウンター封じには高い適性を発揮します。さらにパス成功率75.8%(32%)を踏まえると、精度向上が求められるフェーズも明確です。総合すると、中盤~サイドの起点役としてフィットする一方、シュート精度とパス精度、対人守備の強化が成長の鍵となるでしょう。

2024-2025シーズン:41試合出場、2得点6アシスト、3565分

引用FBREF、Milos Kerkez (2025年6月28日現在)

プレースタイルの特徴

ケルケズ・ミロシュは、爆発的なスプリント力とスタミナを武器に、攻守両面で存在感を放つ“現代型サイドバック”です。若さゆえの荒さをのぞかせつつも、攻守両面で見せ場を作るプレミア級のポテンシャルを秘めているでしょう。彼のプレースタイルには、以下の特徴があります。

  • 驚異的な上下動とスタミナ:驚異的な上下動とスプリント力 試合平均16km超の走行距離を誇り、左サイドを縦横無尽に駆け上がってオーバーラップと帰陣を瞬時に切り替えます。攻撃フェーズでは1試合平均12回以上のオーバーラップを仕掛け、深い位置からのクロスやカットバックで決定機を量産する原動力となるでしょう。ボールを失ってから平均5秒以内に自陣守備ラインへ帰陣し、守備ブロックの隙間を最小化して高強度プレスを継続します。プレスバック時には1試合約8回のインターセプトを記録し、相手のビルドアップを寸断しつつ瞬時に攻守を切り替える能力を発揮するでしょう。こうした驚異的な上下動と持久力が、攻守のトランジションを機械のように繰り返す“攻守に魔法をかける”プレースタイルの要となっているのです。
  • 高精度なクロスと多彩な配球:エリア手前とタッチライン際でボールを受けるや否や、ライナー気味のクロスから深く抉るカットバックまで、状況に合わせた弾道と速度を即座に使い分けるでしょう。守備網を引き伸ばした後のカットバックでは低い弾道で味方FWのランニングコースにピタリと合わせ、アーリークロス時は早めの浮き球で最前線へダイレクトに供給します。1試合平均約3本のクロスを送り出し、その成功率はサイドバックとして上位25%に入る高精度を誇るでしょう。相手CBとSBのポジションを見極め、フェイクを交えたワンタッチ展開からクロスフェーズに移行するテンポの速さが、守備の準備を許さない要因となっています。緻密なタッチコントロールでボールを正確にステイさせ、インステップと足裏の使い分けで狙いのスペースへ狂いなく配球する、その“多彩な配球力”がチャンスメイクの原動力です。
  • 堅実な守備対応と読みの鋭さ:相手ウイングとの1対1で低い重心を保ち、派手なスライディングに頼らずとも進路を完全に遮断するポジショニングを徹底しているでしょう。パスコースを先読みした素早い寄せで、1試合平均約8回のインターセプトを記録。ビルドアップの芽を未然に潰す鋭い読みが光ります。タックル成功率は70%超と、的確な身体の寄せと膝裏タックルで無駄なファウルを避けながらボールを確実に奪取するのです。抜かれた後も隣接する味方とのカバー&フィルを瞬時に連動させ、守備ブロックのコンパクト性を常に維持する組織的守備力を発揮するでしょう。ボール奪取後は即座に前線へトランジションを加速し、守備から攻撃への切り替えでもバランサー的役割を担い続けるのです。
  • 前線プレスバックとインターセプト:相手DFの横パスやCB→MFへのフィードが出る一瞬、体の向きと視線で“兆し”を察知し、高速スプリントで前線のプレスラインを飛び出します。飛び出し地点では相手MFに間合いを詰め、パスコースを絞り込むことで受け手を限定し、攻撃の起点を封鎖する強烈なプレスバックを仕掛けるのです。鋭い読みで相手ミッドフィルダーからのパスを的確にカットし、奪取した瞬間から自らの推進力で前方へトランジションを加速させる守備の切り札的役割を担うでしょう。プレスバックからインターセプト、一気の前線持ち運びまで、5秒前後で一連の動きを完結させ、相手のビルドアップを寸断し、速攻の起点として即座に活用します。この前線プレス&インターセプト能力こそ、チームの高強度プレス戦術を機能させる原動力であり、守備に魔法をかけるサイドバックとしてたらしめているのです。
  • ビルドアップへの関与とポゼッション支配:ポゼッション時のタッチ数・関与数が非常に多く、1試合を通じて左サイドからビルドアップに深くかかわり続けます。セントラルMFやウイングとのトライアングルを常に形成し、パスオプションを複数ストックし、サイドチェンジや縦パスをスムーズに供給する起点となるでしょう。オープンスタンスでボールを受けて視野を確保し、ワンタッチ&ショートパスでリズムを刻み、相手プレス下でも落ち着いた判断でテンポを維持します。体の向きやフェイントを巧みに使い分け、スペースを誘発させ、縦への持ち運びと味方への展開をシームレスにつなぎ、攻撃の厚みを増すでしょう。ハイプレスを受けても無理なドリブルを避け、的確なリリースでボールロストを最小化でき、高い保持率でチームの支配率向上に大きく貢献するのです。
  • 戦術理解による柔軟なポジショニング:守備時には、相手ウイングバックのドリブルやサイド深掘りを察知するとタッチライン際に張らず、インサイドへポジションを絞り込んでCBとセントラルMF間のスペースを即時に埋めます。この「絞り込み」アプローチでセンターの守備ラインをコンパクトに保ちつつ、隣接する味方とのカバー&フィルを連動させ、守備ブロックの一体感を強固にするのです。攻撃に転じると、一転してタッチライン際へ幅を取り直し、ウイングとセントラルMFの間で鋭い三角形を形成。複数のパスオプションを同時にキープし、相手守備を引き伸ばします。この攻守間のシームレスなポジションチェンジが、チーム全体のビルドアップと速攻へのトランジションを滑らかにし、試合のリズムを自在にコントロールしているのです。

弱点

  • クロス精度のムラ:オーバーラップ時に踏み込みを大きくしすぎ、軸足が沈み込むことでインパクトが前寄りになり、浮き球の弾道が高くなりがちです。相手DFのプレッシャー下では視野が狭まりがちで味方の走路把握が甘くなり、クロスのコースがずれるケースが増えるでしょう。ロングクロスではインステップキックの踏み込み角度が不安定で、ボールに必要なスピードやスピンがかからず深度を維持できません。 狭い局面でのクイッククロスは、切り返し動作で踏み込み位置がズレやすく、身体の開きがバラついてクロスの横回転が過剰になりやすいです。強度の高い守備を受けるとインステップからトゥへ無意識に蹴り足が変わり、低弾道クロスやゴロクロスの質が落ち、狙う味方を外しやすくなるでしょう。
  • リスク管理の甘さ:プレッシング時に相手への寄せを優先しすぎ、視野が狭まって足元のフェイクに引っかかり、深めのタックルで接触が強くなります。タックルのタイミングを先取りしようとするあまり、相手の切り返しやフェイントに対応しきれず、ファウル覚悟のチャレンジが増加するでしょう。クリアを急ぐ場面が多く、インステップやアウトサイドの精度が落ちて相手を倒す形になりやすく、不要なセットプレーを献上します。高い位置取りからの寄せ後、戻りやポジショニング修正を急ぎすぎて相手と接触し、イエローカード取得や流れを失うリスクが高まるのです。
  • スタミナ維持と終盤のパフォーマンス低下:前半から高強度の上下動を続けることで、60分以降にスプリント回数が約20%低下し、カバーリングやオーバーラップの頻度が顕著に落ち込みます。無酸素的なダッシュや切り返しの比率が高く、有酸素代謝への切り替えが追いつかず、乳酸蓄積で動きのキレが鈍るでしょう。攻撃参加が減少すると数的優位を生み出せず、逆に守備に戻るスプリント反応も遅れて相手カウンターにさらされやすくなります。プレー効率を高めるには、必要なタイミング以外の上下動を抑え、間合いを読んだポジショニングで移動距離を短縮する術を習得する必要があるのです。

まとめ

ケルケズ・ミロシュは、圧倒的な運動量とスピードを武器に、攻守をつなぐ「魔法のような」サイドバックです。縦への駆け上がりから放たれる精度の高いクロスやラストパスは得点機会を生み、中盤でのプログレッシブパスやドリブル突破でチームにリズムをもたらします。

守備面では1対1の勝負強さとインターセプト力、そして速いプレス戻りでカウンターへの対応もそつなくこなす一方、複雑な連動守備でのポジショニング判断やクロス精度のムラ、終盤のスタミナ維持など、若さゆえの課題を抱えているのです。これらを戦術理解の深化やフィジカル強化、リスク管理トレーニングで克服できれば、その潜在能力はさらに開花するでしょう。

総じて、ケルケズ・ミロシュは成長余地を大きく残しつつも、攻守両面でチームに魔法をかけ続ける存在として、今後の飛躍に大いに期待が寄せられます。

ボーンマスでの活躍を通じて、リバプールへの移籍が決まりました。ロバートソンとの世代交代がスムーズに出来るようにハイレベルなレギュラー争いが期待されます。来季の活躍と共に優勝に導けるか注目です!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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