
アーセナルの守備の要として台頭するウィリアム・サリバは、その抜群の戦術理解と精緻な技術でチームのディフェンスラインを支える重要な存在です。
彼は相手の攻撃を瞬時に察知し、適切なポジショニングでスペースを狭めるとともに正確なパスで攻守の切り替えにも貢献しています。 守備だけでなく試合全体を読み切る彼の動きは、現代サッカーにおける理想のミッドフィールダー像を体現しており今後の活躍に大いに期待が寄せられるでしょう。
本記事では、サリバがどのようにしてアーセナルの守備陣に安定感と革新性をもたらしているのか、その戦術と技術に迫ります。
プロフィール

- 国籍:フランス、カメルーン
- 生年月日:2001年3月24日、24歳
- 出身地:フランス、ボンディ
- 身長:193cm
- 体重:85kg
- ポジション:センターバック(CB)
- 利き足:右足
- 現所属チーム:アーセナルFC
- 背番号:2
- 今シーズン試合出場数:0試合出場、0得点0アシスト(2025年6月5日現在)
- 市場価値:8000万€(2025年5月30日現在)
- 給料:週給19万£→年収988万£
- 契約満了日:2027年06月30日
- エピソード:6歳のときにキャリアをスタートさせ、キリアン・エムバペの父親から指導を受けていた
キャリア&タイトル

経歴
- クラブ歴
- ASサンテティエンヌ(2018~2020):36試合出場
- 2018年にトップチームに昇格。2018年12月6日、ボルドー戦でトップチームデビュー。
- OGCニース(2021):22試合出場、1得点
- 2021年1月4日、出場機会を求めて半年間のローン移籍。2021年1月7日、ブレストン戦でチームデビュー。
- オリンピック・マルセイユ(2021-2022):52試合出場
- 2021年7月15日、1年間のローン移籍。2021年8月9日、モンペリエ戦でチームデビュー。
- アーセナルFC(2022~現在):134試合出場、7得点2アシスト
- 2019年7月15日、移籍。2022年8月5日、クリスタル・パレス戦でチームデビュー。移籍金3000万€
- 代表歴
- フランスU-16代表(2017):4試合出場
- フランスU-17代表(2017-2018):4試合出場、1得点
- フランスU-18代表(2018):3試合出場
- フランスU-19代表(2018):3試合出場
- フランスU-20代表(2019):1試合出場
- フランスU-21代表(2021):5試合出場
- フランス代表(2022~現在):28試合出場
- FIFAワールドカップ:2022出場
- EURO:2024出場
タイトル歴
- クラブ
- アーセナルFC
- コミュニティー・シールド:2023
- 代表
- なし
プレースタイル
2024-2025試合データ


守備面ではまず、タックルは1.76(72%)とまずまずの数値を示しており相手にプレッシャーをかける努力は見られるものの全体の守備貢献としては一側面に留まっています。 一方、インターセプトが0.69(11%)と低いため、相手の攻撃を未然に防ぐカット数が不足し守備ラインへの影響力が限定的です。 また、ブロックは0.74(5%)と低水準であり相手シュートを封じる積極的な守備介入の面で改善の余地があると言えるでしょう。 さらに、クリアランスが3.71(22%)という数値は、守備時にボールを効果的に除去する役割を果たす頻度が他と比べて乏しく、守備全体の安定性に影響を及ぼしています。 これらの数値から守備面では部分的な貢献はあるものの、特に重要な局面での積極的な介入が不足しており、より迅速で効果的な守備アクションの向上が求められるでしょう。
2024-2025シーズン:51試合出場、2得点、4466分
引用:FBREF、William Saliba (2025年6月5日現在)
プレースタイルの特徴
ウィリアム・サリバは、アーセナルのディフェンスラインにおいて守備の核としてその存在感を際立たせる選手です。単に守るだけでなく試合の流れを読む戦術眼や正確なパスで攻守を繋ぐ技術が光っているでしょう。彼のプレースタイルには以下の特徴があります。
- 戦術理解とポジショニング:試合中に相手の攻撃意図やプレスの動向を瞬時に読み取り最適なポジショニングを取る能力に優れています。 彼は、相手の動きを先取りすることで守備ライン全体のバランスを保ち無用なスペースを与えない堅固な配置を実現しているのです。 さらに、その柔軟な位置調整は、カバーリングや連携の効果を高めチーム全体の組織的守備に直結しているでしょう。 こうした戦術理解とポジショニング能力は、サリバがアーセナルの守備の要として絶大な信頼を集める理由となっているのです。
- 正確な守備技術と積極的な介入:タックル、インターセプト、ブロックなどの基本的守備動作を正確にこなし相手にスペースを許さない堅固なディフェンスを構築します。 特に1対1の局面では、冷静かつ素早い反応で敵の突破を未然に防ぐカットを実行し、守備ライン全体の安定性を担保しているのです。 また、試合中に積極的にラインを上げる介入を行うことで相手のプレスを牽制し、カウンター攻撃を阻止する役割も果たしているでしょう。 このような戦術理解と技術の融合によりサリバは試合の重要な局面でチームの守備を先導する信頼のおける存在となっているのです。
- 攻守の切り替えとパスの役割:ボール奪取後、即座に攻撃へと切り替えることでチームに速やかな展開をもたらします。 彼は冷静な視野と高精度なパス技術を駆使し、相手ディフェンダーが追いつけないペースで攻撃の起点を作り出すでしょう。 特に、自陣から攻撃へと移る際、味方の動きを読みながら適切なタイミングで決定的なパスを供給し、相手のカウンターアタックを未然に防いでいます。 その結果、サリバのプレーはチーム全体の攻守のバランスを保つ上で重要な役割を果たし、試合の流れを左右する一端を担っているでしょう。 さらに、この攻守の切り替えによる柔軟なプレーは、アーセナルの戦術に多様性と安定感を与えるキーファクターとなっているのです。
- フィジカルとメンタルの強み:堅実な体格と鋭い俊敏性を兼ね備え、1対1の場面で相手に対して強いフィジカルプレッシャーを発揮します。 卓越した瞬発力と持久力により試合全体を通して安定したパフォーマンスを維持し、ディフェンスラインでの存在感を確実なものにしているでしょう。 さらに、常に状況を正確に把握し、冷静な判断と高い集中力をもってプレーすることで精神面での強さを発揮し、重要な局面でチームの守備を支えているのです。 このフィジカルとメンタルの融合した強みがサリバをアーセナルの守護神としての地位に押し上げチーム全体の統率力と安定性を向上させる原動力となっているでしょう。
弱点
- 空中戦での競り合い:高身長と優れたフィジカルを背景に空中戦での優位性を期待されますが実際にはジャンプのタイミングが合わず、絶妙な高さを確保できない場面が見受けられます。 相手選手との空中競り合いでは、瞬間的なバランス崩れが原因で有効なヘディングやクリアランスを実現できないケースがあるでしょう。 また、タイミングのズレにより相手の攻撃を未然に防ぐためのポジショニングが崩れ、空中での守備力が限定的になるリスクも指摘されています。 この課題は、練習でのジャンプタイミングの修得や瞬発性とバランス感覚の向上を図ることで、改善が期待される分野です。 今後、実戦経験を通じて空中戦での安定感を補強することがサリバの守備全般の向上に直結すると考えられるでしょう。
- プレッシング時のリスク管理:高いプレスをかける戦術を採用する一方で、無理なタックルや過剰なプレッシングによって守備ラインからの抜け出しや空いたスペースを生み出すケースが見受けられます。 こうした状況では、相手に背後へのパスや急速なカウンターアタックを許すリスクが高まり試合の流れに大きな影響を及ぼすでしょう。 特に、相手選手の瞬発力やテクニックを突かれた際、タイミングの甘さが露呈し、ポジショニングのズレが致命的な隙となることがあるのです。 また、プレッシング中の疲労や判断ミスが連鎖的に影響し、一時的にチーム全体の守備連携を乱す要因ともなっています。 この弱点は、戦術理解の深化と瞬時の判断力、さらにはチーム内での連携強化を通じて改善される可能性があり今後の成長が期待されるのです。
- ビルドアップ時のポジショニング:ビルドアップ時に自ら前線に進出して攻撃の起点となることで積極的なボール展開を実現しています。 しかし、その積極性ゆえに守備ラインから離れることがあり裏にスペースを与えてしまうリスクが伴うでしょう。 相手チームは、この隙を狙い速いウイングやミッドフィールダーを投入してカウンター攻撃を仕掛ける可能性があります。 その結果、チーム全体の守備組織が一時的に崩れ、連携の乱れが生じるケースが懸念されるのです。 また、サリバ自身が守備エリアへ迅速に戻るタイミングを見誤ると組織的なカバーリングに穴が空く恐れもあるでしょう。 このようなリスクあるポジショニングは、攻撃の推進力と引き換えに守備の安定性を確保するための改善が求められる課題となっているのです。
- コミュニケーションと連携の不安定さ:守備の技術とポジショニングに優れているもののパートナーとの連携が十分に図れない場合、各自のカバー範囲が重複したり抜けが生じることがあります。 高いプレスや急速なカウンター攻撃に直面すると互いの意思疎通が不足し、守備ライン全体の組織が乱れてしまうリスクが高まるでしょう。 試合中、瞬間的な判断と呼吸合わせが求められる場面では、言葉やサインによる連携が曖昧になると守備全体の安定感が低下する可能性があります。 このような連携不足は、一方の選手が適切な位置取りを逸脱すると相手に突破の隙を与え、急遽他の守備者がカバーに回らなければならなくなる状況を生み出してしまうでしょう。 そのため、サリバとそのCBパートナーは、試合前の戦術確認やリアルタイムでの明瞭なコミュニケーションによって守備の一体感を確固たるものにすることが不可欠です。
まとめ
ウィリアム・サリバは、アーセナルの守備陣を支える中心的な選手として試合状況を即座に把握し、最適なポジショニングでチーム全体の守備連携に大きく寄与する選手です。タックルやインターセプト、ブロックなどの基本動作を高い精度でこなすことで1対1の局面でも冷静な対応が可能となり相手の突破を効果的に封じています。さらに、サリバはボール奪取後の攻守の切り替えにも秀で、正確なパス技術と広い視野を駆使して攻撃の起点となるプレーを展開するのです。これにより守備だけでなくチーム全体の攻撃バランスも維持されるでしょう。
また、強靭なフィジカルと安定した集中力を背景に1対1や空中戦といった厳しい状況でも対抗力を発揮し、試合全体を通して一定のパフォーマンスを維持している点は、彼の大きな武器です。一方で、プレッシング時のリスク管理や空中戦での競り合いなどにまだ改善の余地がある課題も見受けられるため今後の成長がさらに期待されます。
総じて、サリバは高い戦術理解と堅実な守備技術を持ち、攻守の切り替えにも卓越した選手です。彼の存在は、アーセナルの守備の基盤としてだけでなく全体の戦術的バランスを支える重要な要素となっており、今後さらなる飛躍が期待される逸材と言えるでしょう。
アーセナルでの活躍によりCLでも戦っているレアル・マドリードが再来季にフリーで獲得に動いていると噂されています。来季が彼が今後どんなキャリアを歩むのかも注目ですね!
最後までお読みいただきありがとうございました。