
デクラン・ライスは、アーセナルおよびイングランド代表の中盤を支えるミッドフィールダーとして、その攻守にわたる優れたプレースタイルが多くのファンや解説者から注目を集めています。
彼のプレーは、強固な守備力と的確なパス能力を兼ね備えており、中盤のリーダーとしてチームに貢献しています。ライスは、広い守備範囲と積極的なインターセプトで相手の攻撃を未然に防ぎ、ビルドアップの段階でも精確なパスで攻撃の起点を作りだすのです。
この記事では、デクラン・ライスのプレースタイルの特徴を徹底解説し、彼の魅力に迫ります。
プロフィール

- 国籍:イングランド
- 生年月日:1999年1月14日、26歳
- 出身地:イギリス、ロンドン
- 身長:188cm
- 体重:80kg
- ポジション:セントラルミッドフィールダー(CM)
- 利き足:右足
- 現所属チーム:アーセナルFC
- 背番号:41
- 今シーズン試合出場数:43試合出場、7得点8アシスト(2025年4月9日現在)
- 市場価値:1億1000万€(2024年12月16日現在)
- 給料:週給24万£→年収1248万£
- 契約満了日:2028年06月30日
- エピソード:背番号「41」は、ウェストハム時代にランダムに選ばれた番号だが、初心を忘れないために選び続けている。
キャリア&タイトル

経歴
- クラブ歴
- ウエストハム・ユナイテッドFC(2017~2023):245試合出場、15得点13アシスト
- 2017年5月22日、プレミアリーグ、バーンリーFC戦でトップチームデビュー。
- アーセナルFC(2023~現在):94試合出場、14得点18アシスト
- 2023年7月15日、当時のイングランド人最高額で移籍。移籍金1億1660万€
- 代表歴
- アイルランドU-16代表(2015):2試合出場
- アイルランドU-17代表(2015-2016):7試合出場、2得点2アシスト
- アイルランドU-18代表(2016):1試合出場
- アイルランドU-19代表(2016):6試合出場
- アイルランドU-21代表(2017-2018):5試合出場
- アイルランド代表(2018):3試合出場
- イングランド代表(2019~現在):64試合出場、4得点6アシスト
- EURO:2020、2024出場
- FIFAワールドカップ:2022出場
タイトル歴
- クラブ
- ウエストハム・ユナイテッドFC
- UEFAカンファレンスリーグ:2022-2023
- アーセナルFC
- コミュニティー・シールド:2023
- 代表
- なし
プレースタイル
2024-2025試合データ


ペナルティ外ゴール0.16(85%)やnpxG0.12(78%)、ショット合計1.65(86%)、アシスト0.23(94%)、xAG0.19(91%)などの攻撃指標から、連携力と攻撃効率が非常に高いことが裏付けられています。 さらに、npxGとxAGの合計0.31(89%)や、シュートを生み出すアクション3.27(82%)、プログレッシブパス5.96(76%)、プログレッシブキャリー2.78(96%)の数値により、中盤から前線への展開力が極めて優れていることが示されています。 タッチ数2.69(89%)も、ペナルティエリアに積極的に侵入している証左です。 一方で、パス試行回数51.74(58%)およびパス完了率84.6%(55%)は平均的で、決まった精度に改善の余地が見受けられます。 守備面では、タックル1.86(38%)、インターセプト0.81(36%)、ブロック0.93(21%)、クリアランス1.39(45%)といった指標が低く、守備への貢献が課題となっているでしょう。 総じて、攻撃的な効率と展開力は高いものの、守備力の向上が今後の成長の鍵となるのです。
引用:FBREF、Declan Rice (2025年4月9日現在)
プレースタイルの特徴
近年、イングランド代表やクラブチームで存在感を発揮しているデクラン・ライスは、その卓越した守備力と攻撃への貢献で現代サッカー界を牽引するミッドフィールダーとして高い評価を受けています。彼のプレースタイルは、単なる守備専念型に留まらず、攻守のバランスを見事に保つことで、チームの戦術に多大な安定感と柔軟性をもたらすでしょう。その彼のプレースタイルには以下の特徴があります。
- 守備面での鋭い読みと安定感:試合中に相手の動きを鋭く予測し、状況を瞬時に把握することで守備の軸となっています。 彼のインターセプト、タックル、ブロックといった守備技術は非常に自然で、ディフェンスラインの崩壊を防ぐ上で重要な役割を果たしています。 また、敵の攻撃の芽を摘むだけでなく、効果的なカバーリングで味方のポジショニングを支え、チーム全体の守備安定性を向上させるでしょう。 巧みなポジショニングにより、相手に不必要なスペースを与えず、攻撃のチャンスを最小限に抑えることができています。 さらに、試合の微妙な変化も捉え、相手のフォーメーションや動向に応じた柔軟な対応が可能である点が、彼の守備力の高さを裏付けているでしょう。 これらの要素が相まって、ライスは守備面での鋭い読みと安定感を発揮し、チームにとって欠かせない存在となっているのです。
- フィジカルと精神面での存在感:卓越したフィジカルと高度な集中力を兼ね備え、1対1の局面で相手を凌ぐ身体能力を発揮します。 強固な筋力と俊敏な動作は、積極的なボール奪取や守備のブロックに直結し、試合の流れを一変させる原動力となるでしょう。 さらに、試合全体を通して均一なパフォーマンスを維持する持久力は、後半でも冷静さを失わずにプレーできる要因となっています。 決して譲らない闘志と、瞬時に最適な判断を下す冷静さが、彼のリーダーシップを際立たせ、チーム全体に安心感と戦術的な安定をもたらしているのです。
- 展開力と精密なパス:守備でボールを奪取した直後、冷静な判断と広い視野を活かして正確なパスを供給し、攻撃の起点としてチームの展開を促進します。 彼のパスはリスクを最小限に抑えつつ、相手守備陣の隙間を狙って展開するため、効率的にチャンスを創出する重要な武器となっているでしょう。 攻守の切り替え時には、即座の判断力を発揮し、素早く攻撃に転じることでカウンターの起動力としても際立ちます。 その結果、試合の流れをコントロールし、相手に隙を与えないスムーズな攻撃展開が実現されるのです。 さらに、正確な配球によって味方への連携が強化され、ライスの戦術眼と技術力がチーム全体の攻撃力向上に大きく貢献しているでしょう。
- 戦術理解と柔軟なポジショニング:相手のフォーメーションや攻撃パターンの変化を瞬時に察知し、局面に応じた最適なポジショニングを保つことで、守備の隙を最小限に抑えています。 その動きにより、自身が効果的に守備ゾーンをカバーしつつ、仲間へのパスルートをクリアに確保し、攻撃への切り替えをスムーズにサポートするでしょう。 試合中の細かな状況変化を瞬時に読み解く戦術理解が、相手のプレスやカウンターに対する適切な対策を可能にし、チーム全体の守備安定に寄与しています。 これらのポジショニングと動きは、チームメイトとの連携を促進し、リスクを分散させながら全体の戦術運用を円滑にする重要な要素となっているのです。
弱点
- 1対1の局面:1対1の局面で相手のスピードやテクニックに対抗する際、瞬時の反応が求められるにもかかわらず、一瞬の対応の遅れが目立つ場合があります。 この遅れは、相手がフェイントや急激な方向転換を仕掛けたときに、ボールを奪われるリスクを高め、個々の対人戦で不利な展開を招く要因となります。 また、その瞬間的な判断の甘さが、チーム全体の守備ラインにも影響を及ぼし、組織的なカバーや連携の面で課題が生じることがあるでしょう。 こうした点から、ライスは状況に応じた迅速な反応力の向上が、さらなる守備安定に繋がる重要な課題となっているのです。
- 攻守のバランスの調整:守備面で極めて高い安定感を誇りますが、その反面、攻撃参加の意欲が低く、前線での創造性がやや限定される傾向があります。 守備に注力することで、攻撃へのリスクテイクが抑制され、チーム全体として決定的な攻撃の起点を作る機会が減少することが課題となっているでしょう。 また、攻守の切り替え時の意思決定において慎重すぎる面があり、攻撃における積極性や瞬発力が十分に発揮されず、全体のバランス向上の鍵となっています。 今後は、守備力を損なわずに攻撃へのより積極的な関与が求められ、彼自身のパフォーマンスがさらに向上するための重要な課題と言えるでしょう。
- プレス時の判断ミス:高いプレスで相手に圧力をかける際、瞬時の状況判断が求められるため、時折タイミングを誤ることがあります。 その結果、無謀なファウルに繋がり、相手にフリーキックやカウンター攻撃の絶好の機会を与えてしまうリスクが生じます。 特に、相手の急激なフェイントや方向転換に対し、判断が遅れることで守備ラインに不必要な空間が生まれる場面が見受けられるでしょう。 このミスは、チーム全体の守備連携にも悪影響を及ぼし、攻守の切り替えが円滑に行われなくなる懸念があるのです。 そのため、プレス時のタイミングと空間認識をさらに向上させることが、ライスにとって今後の重要な課題となっているでしょう。
まとめ
デクラン・ライスは、現代サッカーにおいて攻守両面でチームの核となるミッドフィールダーです。彼のプレースタイルは、堅実な守備力と正確なパス、そして試合の流れを読んだ戦術的な動きによって、チーム全体のバランスを巧みに保っています。ライスは、ディフェンスラインの安定化だけでなく、攻撃へのつなぎ役としても重要な役割を果たしているでしょう。
守備面では、ライスは相手の動きを瞬時に察知し、インターセプトやタックル、ブロックといった基本動作を自然体でこなします。常に最適なポジショニングを維持し、カバーリングに優れる彼は、相手に余計なスペースを与えず、チーム全体の守備を支える要となっています。これにより、相手の攻撃の芽を摘む堅実な守備力を実現しているのです。
一方、攻撃へと切り替える際のライスは、冷静な判断と広い視野を活かして正確なパスを供給し、攻撃の起点となります。守備から攻撃へのスムーズな展開は、カウンター攻撃のチャンスを高め、試合の流れを自ら作り出す原動力となっているでしょう。ただし、守備に重点を置くあまり、時に攻撃の創造性が限定される傾向があるという指摘もあります。
フィジカルと精神面でも、ライスは高い持久力と集中力、そして強靭な身体能力を兼ね備えています。1対1の局面でも冷静さを失わず、必要な時には臨機応変な対応で相手に対抗する姿は、彼の領域を確固たるものにしているでしょう。また、試合全体を通して安定したパフォーマンスを維持し、リーダーシップを発揮する点も大きな魅力です。
総じて、デクラン・ライスは堅実な守備力と正確なパス、そして試合の流れを読む戦術理解力によって、攻守にバランスの取れたミッドフィールダーとして活躍しています。守備の強化と同時に、攻撃への積極的な参加をさらに磨くことで、今後さらなる成長と飛躍が期待される選手です。
CLのレアルマドリード戦のフリーキック、2連発は凄かったですね。アーセナルでの今後の活躍も目が離せません!
最後までお読みいただきありがとうございました。