選手

【ヌサイル・マズラウィ】プレースタイル解説:切り拓く攻撃と守備の融合

ヌサイル・マズラウィ サッカー選手

ヌサイル・マズラウィは、モロッコ代表としても活躍する革新的な右サイドバックであり、攻守の両面で切り拓く存在です。

彼は、スピードとテクニックを駆使して前線へのオーバーラップと高精度なクロスで攻撃の起点を作り出す一方、冷静なポジショニングと判断力で守備の要として相手の攻撃をシャットアウトします。

本記事では、マズラウィの攻守融合のプレースタイルに迫り、チーム戦術への貢献と進化する能力に迫ります。

プロフィール

ヌサイル・マズラウィ サッカー選手
  • 国籍:モロッコ、オランダ
  • 生年月日:1997年11月24日、27歳
  • 出身地:オランダ、ライデルドルプ
  • 身長:183cm
  • 体重:73kg
  • ポジション:右サイドバック(RB)、センターバック(CB)など
  • 利き足:右足
  • 現所属チーム:マンチェスター・ユナイテッドFC
  • 背番号:3
  • 今シーズン試合出場数:44試合出場、0得点2アシスト(2025年3月30日現在)
  • 市場価値:3200万€(2024年12月16日現在)
  • 給料:週給13.5万£→年収702万£
  • 契約満了日:2028年06月30日
  • エピソード:代表監督のハリルホジッチ監督と対立して、2020年11月から2022年9月まで代表から一時的に追放された。

キャリア&タイトル

ヌサイル・マズラウィ サッカー選手

経歴

  • クラブ歴
  • アヤックス・アムステルダム(2018~2022):137出場、10得点9アシスト
    • アカデミー出身。2016年8月12日、エールディヴィジ、アルメレ・シティ戦でトップチームデビュー。
  • バイエルン・ミュンヘンFC(2022~2024):55試合出場、1得点8アシスト
    • 2022年5月24日、4年契約でフリー移籍。 
  • マンチェスター・ユナイテッドFC(2024~現在):44試合出場、0得点2アシスト
    • 2024年8月14日、4年契約で移籍。移籍金1500万€
  • 代表歴
  • モロッコU-20代表(2016-2017):3試合出場
  • モロッコU-23代表(2019):1試合出場
  • モロッコ代表(2018~現在):33試合出場、2得点1アシスト
    • CAFアフリカネーションズカップ:2019、2024出場
    • FIFAワールドカップ:2022出場

タイトル歴

  • クラブ
  • アヤックス・アムステルダム
    • エールディヴィジ:2018-2019、2020-2021、 2021-2022
    • KNVBカップ:2018-2019、2020-2021 
    • ヨハン・クライフ・スハール:2019
  • バイエルン・ミュンヘンFC
    • ブンデスリーガ:2022-2023
    • DFLスーパーカップ:2022-2023 
  • 代表
  • なし                                                          

プレースタイル

2024-2025試合データ

ヌサイル・マズラウィ サッカー選手

右サイドバック(RB)など 31試合出場、0得点1アシスト

守備面で1試合あたり3.31本のタックル(97%)と1.60回の空中勝利(92%)を記録し、インターセプト(1.11本)やクリアランス(2.92本)で守備組織力の安定に貢献しています。一方、オフェンス面では、1試合約60回のパス試行と86.7%のパス完了率(89%)により後方からのビルドアップを支え、さらにプログレッシブパス(4.40本)や2〜3本のクロス供給によってサイド攻撃に寄与しています。全体として、彼は攻守両面でバランスの取れた現代型フルバックとして、チームの連携を強化する重要な役割を果たしているのです。

ヌサイル・マズラウィ サッカー選手

センターバック(CB) 13試合出場、0得点1アシスト

守備面で1試合あたりのタックル(3.31、97%)や空中勝利(1.60、92%)により対人戦と空中戦で優れたパフォーマンスを発揮し、インターセプトやクリアランスも安定させて守備組織力を向上させています。一方、CBとして通常の役割に合わせ、得点やクリエイティブな行動は控えめながら、1試合約60回のパス試行と86.7%のパス完了率(89%)で後方からのビルドアップに大いに貢献しているのです。

引用FBREF、Noussair Mazraoui (2025年3月30日現在)

プレースタイルの特徴

ヌサイル・マズラウィは、現代サッカーに求められる両面にわたる貢献を体現する右サイドバックとして、チームの戦術に革新をもたらしています。彼は、攻撃時には鋭いオーバーラップと正確なクロスで相手ディフェンスを切り崩し、守備時には冷静な判断とポジショニングで攻撃を未然に防ぐ、そのバランスの取れたプレースタイルが大きな特徴です。以下に、彼のプレースタイルをいくつかの側面から詳しく解説します。

  • 攻撃スキル:サイドライン付近で爆発的なスピードを発揮し、正確なタッチでボールを確実にコントロールすることで、相手ディフェンダーとの一対一の状況を切り裂きます。彼は積極的に前線に駆け上がり、カウンター攻撃の起点として鋭いクロスやサイドチェンジを巧妙に組み合わせ、守備陣に一瞬の隙を作り出せます。さらに、彼の動きが中盤と前線の連携を促すことで、チーム全体の攻撃の幅が広がり、流動的な戦術運用が可能になるのです。試合状況に応じて柔軟にポジションを変えながらも、攻撃の核として重要なチャンス創出に貢献するそのプレーは、チームにとって欠かせない存在となっています。
  • 守備スキル:相手の攻撃パターンやフォーメーションを瞬時に読み取り、適切なタイミングで素早く後方へ戻ることで、相手の突破口を未然に防ぎます。 彼は単にラインを固めるだけではなく、効果的なインターセプトやスライディングタックルを活用して、相手のパスコースを絶ち、守備のバランスを保つ役割を担っているのです。 また、積極的なプレスに参加しつつも、無駄なリスクは避ける冷静さを持つため、チーム全体の守備ラインの安定性向上に大きく寄与しています。 その戦術眼と堅実な守備アクションは、試合の流れを左右する重要な要素となり、守備面での信頼性をさらに高めているでしょう。
  • 戦術的柔軟性と連携能力:試合状況に応じて攻撃と守備の役割を自在に切り替え、その柔軟性をチーム戦術に活かしています。 攻撃時には中盤との連携を駆使し、ボール保持から瞬時に速攻へと転換することで、相手ディフェンスに予測不可能な混乱をもたらします。 さらに、状況判断に基づいたスマートなポジショニングで不要なリスクを回避しつつ、必要な箇所に素早く戻ることで守備の安定感を確保するでしょう。 この戦術的柔軟性は、攻守の連動性を高め、試合全体の流れをコントロールする原動力となっています。 結果として、彼の多面的なプレーが、チームに幅広い戦術オプションをもたらし勝利に貢献ているのです。

弱点

  • 空中戦の競り合い:空中戦での競り合いにおいて、特にセットプレー時に相手の体格や高さを前に競り負ける場面がしばしば見られます。これは、ジャンプ力やタイミングの不足が原因とされ、特に相手がヘディングの得意な選手の場合には弱点が顕著になります。さらに、空中でのポジショニングや競り合いの際のフィジカルコンタクトの対応が不安定であり、重要な局面で失点を招くリスクも伴います。このような課題を克服するためには、ジャンプ力の強化やタイミングを磨く専門的なトレーニングが必要であり、彼の守備力全体を向上させるポイントとなるでしょう。
  • フィジカルコンタクトへの対応:フィジカルコンタクトの場面で特に体格の大きい選手やフィジカルが強い相手に対し、競り合いで劣勢になる傾向があります。これは、接触時の体幹の安定性が不足しているため、バランスを崩しやすく押されてしまうことが原因です。また、接触プレーでの対処力が不安定であり、ボールを保持し続ける場面でプレッシャーを受けるとミスを誘発される可能性があります。この課題を克服するためには、筋力トレーニングを通じた体幹強化や競り合いの際のスキル向上が必要であり、これによってフィジカルの弱点が改善され、競技レベルがさらに高まるでしょう。
  • スタミナ管理:試合終盤になるとスタミナの消耗により、スプリントの頻度や質が顕著に低下する傾向があります。これにより、攻守両面でのパフォーマンスが安定せず、特に守備での戻りや攻撃への参加が遅れる場面が目立つことがあるでしょう。スタミナ切れが原因でミスや判断力の低下も見られる場合があり、試合全体の流れに悪影響を及ぼすことがあります。この問題を改善するためには、有酸素運動を中心とした持久力トレーニングや、試合前後のコンディション管理が重要です。スタミナが安定すれば、試合を通じたプレーの質が向上し、彼の能力をさらに引き出すことでしょう。

まとめ

ヌサイル・マズラウィは、攻守両面でチームにとって欠かせない存在として活躍しており、そのバランスの取れたプレースタイルが特徴です。鋭いスピードを活かしたオーバーラップと正確なクロスによって攻撃を切り拓き、中盤と前線を結ぶ役割を果たすことで、チームの攻撃を円滑に進めています。守備では冷静な判断力と適切なポジショニングによって相手の攻撃を未然に防ぎ、守備ラインの安定性を向上させています。

また、戦術的な柔軟性を持つマズラウィは、試合の状況に応じて役割を自在に切り替え、攻守のスムーズな連携を可能にする重要な存在です。彼のこの能力は、チーム戦術の幅を広げ、試合の流れをコントロールする大きな力となっています。

一方で、空中戦での競り合いやフィジカルコンタクトへの対応、スタミナ管理の面では課題が見られます。これらの改善によって、彼のプレースタイルはさらなる進化を遂げ、チームへの貢献度がさらに高まることが期待されるでしょう。

総じて、ヌサイル・マズラウィは現代サッカーにおける右サイドバックの理想像を具現化した選手であり、その卓越したプレースタイルは今後も多くのサッカーファンを魅了し続けるでしょう。彼の成長と活躍に注目が集まっています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

-選手
-, ,