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【ロドリゴ・ベンタンクール】プレースタイル解説:中盤を支配するテクニシャン

ロドリゴ・ベンタンクールは、トッテナム・ホットスパーおよびウルグアイ代表の中盤を支えるミッドフィールダーとして、その卓越したテクニックと戦術理解が多くのファンや解説者から注目を集めています。

彼のプレーは、冷静なボールコントロールと的確なパス能力を兼ね備え、中盤のリズムを作り出す役割を果たしているでしょう。守備時には的確なインターセプトとプレスで相手の攻撃を封じ、攻撃時には鋭いパスやドリブルでチャンスを創出します。

この記事では、ロドリゴ・ベンタンクールのプレースタイルの特徴を徹底解説し、彼の魅力に迫ります。

プロフィール

  • 国籍:ウルグアイ
  • 生年月日:1997年6月25日、27歳
  • 出身地:ウルグアイ、ヌエバ・エルベシア
  • 身長:187cm
  • 体重:72kg
  • ポジション:守備的ミッドフィールダー(CDM)
  • 利き足:右足
  • 現所属チーム:トッテナム・ホットスパーFC
  • 背番号:30
  • 今シーズン試合出場数:36試合出場、2得点1アシスト(2025年4月15日現在)
  • 市場価値:3000万€(2025年3月18日現在)
  • 給料:週給7.5万£→年収390万£
  • 契約満了日:2026年06月30日
  • エピソード:2024年6月、母国のテレビ局の番組でアジア人に対して人種差別的な発言をしてしまった。

キャリア&タイトル

経歴

  • クラブ歴
  • ボカ・ジュニアーズ(2015~2017):66試合出場、1得点3アシスト
    • 2015年4月12日、CAヌエバ・チカゴ戦でトップチームデビュー。
  • ユヴェントスFC(2017~2022):181試合出場、3得点18アシスト
    • 2017年4月21日、ユヴェントスに5年契約で移籍。移籍金950万ユーロ
  • トッテナム・ホットスパーFC(2022~現在):105試合出場、9得点8アシスト
    • 2022年1月31日、トッテナムに4年半契約で移籍。移籍金1900万ユーロ
  • 代表歴
  • ウルグアイU-20代表(2017):14試合出場、1得点1アシスト
  • ウルグアイ代表(2017~現在):68試合出場、3得点2アシスト
    • FIFAワールドカップ:2018、2022出場
    • コパ・アメリカ:2019、2021、2024出場

タイトル歴

  • クラブ
  • ボカ・ジュニアーズ
    • コパ・アルヘンティーナ:2014-2015
    • スペルリーガ:2014-2015、2016-2017
  • ユヴェントスFC                                                                           
    • セリエA:2017-2018、2018-2019、2019-2020
    • コッパ・イタリア:2017-2018、2020-2021
    • スーペルコッパ・イタリアーナ:2018-2019、2020-2021
  • 代表
  • なし

プレースタイル

2024-2025試合データ

ロドリゴ・ベンタンクール サッカー選手
ロドリゴ・ベンタンクール サッカー選手

ペナルティ以外のゴールが0.08(61%)、npxGが0.09(63%)、ショット合計が1.25(67%)といった攻撃面の数値から、直截的な得点貢献が控えめであることが示されています。さらに、アシストが0.00(10%)やxAGが0.03(9%)の低さから、攻撃の起点としての役割は限定的であると判断されるでしょう。一方で、パス試行回数は64.63(87%)、パス完了率は88.6%(84%)と、正確かつ積極的なボール配給能力が際立っており、プログレッシブパスが5.72(73%)、プログレッシブキャリーが1.48(67%)であるため、攻撃時の前進の試みはあるものの決定的な核にはなっていません。守備面では、タックルが2.37(67%)、ブロックが1.63(86%)、クリアランスが2.10(74%)、エアリアル勝利が1.63(85%)と積極的な守備行動を示し、特にインターセプトが2.22(99%)と突出していることから、相手攻撃を迅速に切断する要として機能しています。総合的に見ると、得点や直接的な創造性よりも、正確なパス回しと堅実な守備力を武器とし、組織的なビルドアップと相手攻撃の遮断を通じてチーム全体のバランスを支える守備特化型の中盤選手として評価されるのです。

引用FBREF、Rodrigo Bentancur (2025年4月15日現在)

プレースタイルの特徴

ロドリゴ・ベンタンクールは、卓越したテクニックと戦術眼を備えた中盤の要として、相手の攻撃や守備のリズムを支配する選手です。彼は鋭い視野と正確なパスセンスを武器に、ボールの起点としてチームの攻撃を巧みに組み立て、相手ディフェンスを切り裂く重要な役割を果たしています。そのプレーには以下の特徴があります。

  • 正確なパス&ディストリビューション:短いワンツーパスから洗練されたロングパスまで、幅広いパスオプションを自在に操る点で際立っています。 プレッシャー下でも冷静さを保ち、ボールを正確に供給する能力は、相手ディフェンスの隙間を狙った攻撃の起点となり、チーム全体の攻撃リズムを作り上げる原動力となっているでしょう。 彼のパスは、相手守備陣形の微妙なズレを巧みに見抜き、スムーズに次の攻撃シーンへと繋げることで、ゲームの展開を迅速かつ効果的に変化させます。 このような正確で多様なディストリビューション能力は、チームの戦術運用や攻撃のテンポ調整において、不可欠な要素として高く評価されているのです。                                                       
  • テクニカルなボールコントロール:中盤でチームの攻撃を組み立てる要となる重要な武器です。 狭いスペースでも安定したボールタッチと正確なドリブルで相手プレスをかわし、冷静にボールを保持します。 その精度の高いコントロールにより、次の攻撃の起点となるパスや連携プレーへの橋渡しが可能となり、試合の流れを自在に変える力を発揮します。 さらに、予測が難しい多彩なテクニックは、相手ディフェンスに混乱をもたらし、チーム全体のテンポをコントロールする鍵として機能しているのです。
  • 戦術理解とポジショニング:卓越した戦術理解力を基に、試合状況に応じた最適なポジショニングを常に維持しています。組織的な守備の中では、相手の攻撃パターンやスペースの変化を瞬時に読み取り、タイミングよくプレッシャーをかけることで、相手の展開を効果的に封じる役割を担っています。さらに、彼は守備ラインのバランスを保ちながら、中盤から攻撃への切り替えの起点となる位置取りを徹底しており、これがチーム全体のテンポや流れをコントロールする重要な要素となっているでしょう。こうしたポジショニングと戦術理解が、ベンタンクールを単なるボールディストリビューターから、戦術運用に欠かせない中核選手へと昇華させているのです。
  • フィジカルと粘り強さ:中盤での激しいコンタクトにおいて、その堅実な体格と強靭なフィジカル能力を武器に、1対1の局面やボール奪取で確実に効果を発揮します。 彼は、対人戦で相手にプレッシャーをかけると同時に、粘り強くボールを追い、試合のリズムを自チームに引き寄せる役割を果たしています。 さらに、厳しいフィジカルコンタクトや激しい競り合いの中でも冷静さを保ち、集中力を失わずに行動する姿勢が、チームの守備の安定に寄与しているでしょう。 このようなフィジカル面と粘り強さは、多面的なプレースタイルの根幹を成し、攻守の双方で不可欠な存在感を示しているのです。                                                  

弱点

  • ファウルの多さ:その積極的な攻撃参加を追求するプレースタイルから、無理なタックルや体当たりによるファウルを犯しやすい傾向にあります。 特にディフェンス圧力をかける際に、リスクを伴う侵入プレーが多く、これが累積してイエローカードの形で表れることが多いです。 その結果、相手にフリーキックやペナルティーチャンスを与えるリスクが高まり、試合の流れに悪影響を及ぼす可能性があります。 また、攻撃的な姿勢は攻めの原動力となる一方で、守備時の無理な介入が相手に対して危険な状況を生むため、ファウルコミットメントの高さが戦局を左右する要因となっているでしょう。
  • 怪我の多さ:怪我が多く、特に前十字靭帯の損傷などで長期離脱を強いられることがあります。そのためフィジカルコンディションを維持することは非常に重要であり、シーズンを通じて怪我のリスクに備える必要があり、特に1週間で3試合など頻繁に試合がある場合は体力や回復力を向上させるためのトレーニングや休養が必要です。
  • ゴール前での決定力:中盤でのプレーメイキングに優れる一方、ゴール前での決定力には課題を抱えています。 シュートの精度やフィニッシュにおいて、プレッシャー下で冷静な判断が欠けることがあり、決定的な得点機会を逃す場面が散見されます。 また、相手ディフェンスが密集するエリアでは、スペースが限られるため、創造的なフィニッシュを生み出すチャンスが減少し、得点に直結する関与が少ない傾向があるでしょう。 このため、彼の全体的な攻撃力としては中盤での組織運営に留まり、ゴール前での個人の力が求められる状況では改善の余地があるとされているのです。
  • ドリブル・個人突破の創造性:個々の局面でドリブル突破を試みるものの、リスクを最小限に抑えるために安全なパスを選ぶ傾向があります。そのため、大胆で劇的な個人突破の機会が抑制され、狭いスペースや混戦状態でボール保持中、敵ディフェンスの裏を狙う瞬発的な加速やスペース創出が十分に発揮されず、個人技による攻撃の幅が限定されてしまいます。結果、対戦相手にプレッシャーをかける決定的な突破力が不足していると評価されやすくなり、安定したパス回しによる組織的なビルドアップが彼の強みであっても、攻撃局面でチームの選択肢を広げる変化球的な要素が不足しているのが現状です。攻撃面でさらなる進化を遂げるためには、リスクを伴うドリブルへの挑戦や、瞬間的なスピードアップを織り交ぜた、よりアグレッシブな個人プレーが求められるでしょう。

まとめ

ロドリゴ・ベンタンクールは、その卓越したテクニックと正確なプレーで中盤を掌握する優れた選手です。彼は幅広いパスレンジと的確な判断力を兼ね備え、試合のテンポを支配するプレースタイルで知られています。特に正確なディストリビューションと冷静なボールコントロールを活かし、チームの攻撃を効果的に組み立てる存在として輝いています。また、狭いスペースでも冷静にプレーし、相手のプレスをかわして攻撃機会を創出する能力は、試合の流れを劇的に変える力を持っているでしょう。

守備面でも、彼の戦術理解力とポジショニングは特筆すべきものがあります。効果的なプレスとタイミングの良い守備介入で相手の攻撃を封じ、試合のバランスを保つ役割を担っています。そのプレーはシンプルながら効率的で、無駄のない動きと組織的な働きがチーム全体の安定に貢献しています。また、攻守にわたる柔軟な対応力が試合の様々な局面で重要な役割を果たしているのです。

一方で、怪我の多さやファールの多さでの課題が指摘されています。特に激しい対人戦や長期離脱のリスクが懸念されるため、コンディション維持と怪我予防が重要です。また、ファウルの多さやゴール前での決定力不足といった弱点も課題として挙げられており、これらを克服することでより安定したパフォーマンスが期待されています。

総じて、ロドリゴ・ベンタンクールはそのテクニックと戦術理解で観客を魅了し、チームの中核を担う選手です。今後さらなる成長と改善を遂げることで、より多くのファンとサッカー界にインパクトを与える存在となることが期待されているのです。

今季、ここまで苦しいシーズンですが、契約延長の話が出ています。自分としてもここで契約延長してもう一段上がって主力になってほしいです!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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